Venture Business(VB) とVenture Capital(VC)の性格・行動原理について思っていることをかいてみましょう。
○よく知られている話を少し変えてみます。今3人の大工さんがいます。
Aさん:生活費を稼ぐため仕事をしている。-普通のサラリーマン?
Bさん:腕を磨いて立派な寺院(一カ所)を建てる。多くの参拝者が来て、お賽銭・寄進を得られて儲かる。
Cさん:家をあちらこちらに一杯建てて大金持ちになる。ともかく儲ける、金を増やす。一緒に働いた人(投資家)も儲かる。
・私は、Bさんを目指す人がVBで、CさんタイプがVCではないかと思います。
○VCの背後にはリターン極大化を求める投資家がいます。当然優良な(=儲かる)投資を目指します。投資家→VC→投資先が出資・株式等で直線的に結ばれています。しかし、VCは、投資家からの手数料で運営され、投資のリスクは結局投資家が負います(儲かりそうな案件を自己資金で投資する場合を除く)。投資家に元本を償還すれば、その後の利益は例えば投資家8割、残りはVCのものです。他人の金でリスクも他人(投資家)です。VCは投資先が困難に陥り危なくなれば、投資の回収を考えます。自分本位かもしれませんが、金を出してくれた投資家も気になります。
・VCは汗した努力と比例してお金は儲かりません。運もあります。株を売ってしまえば、株を買った人が儲けようが、損しようが関係ありませんが、そうかと言って売りたいときに売れる(Exit)わけでもありません。
○VBは、情熱・信念と共にリスクを負って事業を始めます。しかし、信念だけでは成功しません。プロダクトアウトの発想が強くて、口では顧客満足と言っていても、行動は唯我独尊というのでは成功しません。徹底的にお金をくれる顧客の無理難題を聞かないといけません。ビジネスはGive & Takeではなく、Give & Givenですからともかく顧客に満足を与えて顧客を儲けさせてあげないと、お賽銭・寄進が受けられません。大きな寄進が来ればそれだけ信徒・顧客の満足度が高いと言えましょう。表面的には信徒の人に手を合わせて、心の中では「ヤッター!儲かった」という事でしょうか。
・人に尽くせば、また汗をかけばそれに比例した収益が期待できます。事業基盤を充実させ顧客とは長いつき合いです。顧客に損をかけることは出来ません。
○ということで、
Cさんは、獲物を追って移動する狩猟民族。取り逃しても次があるVCなら10件中1-2件大当たりで投資総額全体につきIRR20%-30%の利回り。でもVBは農耕民族、しがみついて田圃を耕さないといけません。田圃を捨てて、隣村の新しい田圃で「はい次」というわけにもなかなか行きません。
○VBとVCは、行動原理が異なります。VBの立場から言えば、VCがお金以外に何を与えてくれるのかが気になります。また信用できるVCとは、金融の世界だけではなく、実体経済で10年ぐらい実務をこなしてきた人・農耕民族を熟知してくれている人(米国でベンチャーを創業して、その後エンジェル・VCになった人等)ですね。