まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

M&Aのプレイヤーと機能

2007-02-12 11:05:00 | M&A

M&Aには、買収者と売り主(対象企業やその大株主等)の他にいろんな関係者が登場します。その関係者の機能について考えて見ましょう。

最近は、M&Aの当事者は投資銀行を起用する、彼らに買収・売却価格を算出してもらう、案件推進をリードしてもらうというのが常識的になって来ました。嘆かわしい傾向です。投資銀行などを頼りにするのは、自分の家を買うのに、きちんと自分で調査もせずに、不動産仲介業者に任せるようなものですね。

M&Aで、人を頼りにする会社は、買収能力も資格もありません。

買収は、金だけあれば買えますが、その後の経営が出来るのでしょうかね?

1)投資銀行Cross Boarder案件等でdealfinderと案件のとりまとめ役としての機能はあります。欧米ではSeller’s Rep, Buyer’s Repを立てて行いますからね。

      In-In案件ではfinderとしてより、案件を作り出す、仕立て上げる能力がないとね。

業界一般については、アナリストを連れてきて解説してくれるときもありますが、当然第三者ですから深い知識・経験がある訳ではありませんね。

一通りの人は揃えて案件をこなしていますので、一通りの事は出来ます。しかし、それだけです。かゆいところに手が届くわけでも無いです。

Retainer Fee + 成功報酬ですから、成功すればおおきな収益を得ます。買収者がその後、ババをつかんでも、簿外負債が出てきても、大損しても関係がありません。

2) 監査法人のアドバイザリー会社等:①財務Due Diligence(DD)あるいは②買収価格算出の二つの機能がありますね。

きちんとした会社の買収ならあまり問題ないかもしれませんが、数字という切り口から会社の全体像をつかむ、またきちんとした修正BS等を作ってもらえればいいですね。でもね、DDで判明するのは過去ですね、買収者に一番重要な未来は分かりません。当たり前ですね、未来を作るのは買収者ですからね。

また買収価格の算出をお願いするときもありますね。一応合意可能な買収価格があたかも適正価格であるような数字を作っておいて貰えればねということでしょう。

3) 弁護士事務所:DDのときに、訴訟を抱えていたり、あるいは敵対的買収等のときに法律的手段(不公正な新株・新株予約権発行への対応、差し止め仮処分命令申立等)の必要があるときはお願いする事になりますね。買収契約作成のときにもお世話になる場合もあります。この分野の経験が十分ある弁護士さんを起用するのが重要ですね。変な弁護士を起用すると、時間・労力・金の無駄使いです。

4) その他:

人事労務・年金コンサルタント:退職制度、退職給付債務、あるいは過去勤務債務等買収の価格に影響する事項がありますのでね、必要に応じてですね。

環境コンサルタント:必要に応じてですね。メーカ買収等のとき等重要ですが、時間もかかりますので、Rep. & Warrantyでカバーでしょうね。データ自体が改竄されていることもありますからね。