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盤の陶片の表裏を写したもので、翠色の青磁釉が掛り無数の貫入が走る。内面はカベットに相当する部分に二重の圏線が取りまいている。
パーンと云えば、輪花や鍔縁で櫛歯文様の青磁盤が著名であるが、ビックリしたことに当該盤は、口縁が釉剥ぎされ盤形も含めてサンカンペーンのようにも見える。焼成道具を用い、このように口縁の釉剥ぎなど思いもつかなかったが、驚き以外の何物でもなく、新たな発見であった。
今回、Ban ChampooとSai Khao 各古窯址では、まともな窯址を見ることができなかった。それがPhon Daengで見られるとばかり思っていたが、前述のように辿り着くことができなかった。そこでと云えば何だが・・・、チェンマイ国博の前庭に移築されている窯址を紹介して、パヤオ・パーンの一連の古窯址訪問記の最終回としたい。
北タイ諸窯の中では異例の大きさで10mを越える。これをみればサンカンペーンなどは三分の一の大きさでしかない。優れた青磁陶磁が焼成できた、背景の一つである。
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