<続き>
<ウィアン・ブア陶磁>
●釉薬の原料
Kriengsak Chaidarung氏は、マゴータームーの木(Qvercus velutina:ブラックオーク)が釉薬の原料だと推測しておられる。氏によると、ブア村の周囲にはマゴータームーの木が豊富にあり、現在も多く見られる。釉薬作りの順序としては、マゴータームーの木の枝と葉を燃やしてできた灰と田圃の土を、灰4:土5の割合で混ぜ、そこに水を加えてよくかき混ぜる。混ぜ終わった釉薬を焼成すると翠色に発色する、これをセラドン(celadon・青磁)と呼ぶ。
成長したマゴータームーの木の灰を使うと釉薬は、翠色の青磁となり、若い木を使うと釉薬は、黄緑色に発色する。
写真がマゴータームーの木。パヤオ県ムアン郡メーガー地区ブア村の灌木林で一般的に見ることができる
●形状と文様
ウィアン・ブア陶磁の成形と文様で、はっきりとしている特徴は、施釉の前に見込みに印判にて文様を押すことである。よく見られる文様は、双魚、単魚と複数魚である。その他シンハ(獅子)、象、太陽、鳥、馬などもあり、口縁に波のようなギザギザの刻線や小さな丸の印花文も見られる。
「陶磁器・パヤオ」の著者KriengsakChaidarung氏は、推測されるものの一つとして、ウィアン・ブアの文様はそれぞれの器ごとに、どの文様をどのように置くか特に決まっておらず、陶工によりけりだと云うことである。例えば、魚の文様の場合、文様をどのように置くか決まりがない。1匹でも2匹、3匹でもよく、8匹も表現された盤もあり、陶工の裁量にまかされていた・・・と推測している。
(写真は、なんと印花8魚文である。3魚文は見たことがあるが、図書「陶磁器・パヤオ」で初めてみた)
よく見ると、それぞれの文様は一つとして同じ盤は無く、様々な美的作品を生み出している。ウィアン・ブアの器の特徴である魚文は、陶工が日常生活で目にするその土地の魚を、文様にしたものだと理解されている。
<続く>
<ウィアン・ブア陶磁>
●釉薬の原料
Kriengsak Chaidarung氏は、マゴータームーの木(Qvercus velutina:ブラックオーク)が釉薬の原料だと推測しておられる。氏によると、ブア村の周囲にはマゴータームーの木が豊富にあり、現在も多く見られる。釉薬作りの順序としては、マゴータームーの木の枝と葉を燃やしてできた灰と田圃の土を、灰4:土5の割合で混ぜ、そこに水を加えてよくかき混ぜる。混ぜ終わった釉薬を焼成すると翠色に発色する、これをセラドン(celadon・青磁)と呼ぶ。
成長したマゴータームーの木の灰を使うと釉薬は、翠色の青磁となり、若い木を使うと釉薬は、黄緑色に発色する。
写真がマゴータームーの木。パヤオ県ムアン郡メーガー地区ブア村の灌木林で一般的に見ることができる
●形状と文様
ウィアン・ブア陶磁の成形と文様で、はっきりとしている特徴は、施釉の前に見込みに印判にて文様を押すことである。よく見られる文様は、双魚、単魚と複数魚である。その他シンハ(獅子)、象、太陽、鳥、馬などもあり、口縁に波のようなギザギザの刻線や小さな丸の印花文も見られる。
「陶磁器・パヤオ」の著者KriengsakChaidarung氏は、推測されるものの一つとして、ウィアン・ブアの文様はそれぞれの器ごとに、どの文様をどのように置くか特に決まっておらず、陶工によりけりだと云うことである。例えば、魚の文様の場合、文様をどのように置くか決まりがない。1匹でも2匹、3匹でもよく、8匹も表現された盤もあり、陶工の裁量にまかされていた・・・と推測している。
(写真は、なんと印花8魚文である。3魚文は見たことがあるが、図書「陶磁器・パヤオ」で初めてみた)
よく見ると、それぞれの文様は一つとして同じ盤は無く、様々な美的作品を生み出している。ウィアン・ブアの器の特徴である魚文は、陶工が日常生活で目にするその土地の魚を、文様にしたものだと理解されている。
<続く>