<続き>
<ウィアン・ブア陶磁>
●焼成技術
ウィアン・ブア窯では盤や鉢について口縁同士を重ね合わせ、一番下には「ギージャーン」と呼ばれるDisk supportを置く。更に北タイで「ジョー」と呼ばれる匣鉢を用いる⑥。
匣鉢(Sagger)は、植木鉢に形の似た筒形状の容器で、砕いた石などの熱に強い材料を混ぜた土で作られている。上下の端の近くには3~4個の丸い穴が開けられており、強度を高めるために熱く作られている。匣鉢は、この中に施釉した盤、皿、鉢を入れて窯の中に並べて使われる。これは、傷の原因になる窯体や焼成物の落下を防ぐために用いられる。
(パヤオで「ジョー」と呼ぶ、筒状の形をしている匣鉢)
それ以外に匣鉢内の雰囲気温度を安定させ、焼成中の焼歪の問題を防ぐこともできる。匣鉢の一般的な大きさは、直径が約6cm-21cm、高さが約8cm-30cm、厚さは約1-1.5cmほどである。ブア村小学校の近くの古窯址で出土した匣鉢は、直径が約20cm、高さが約30cmであった。
北タイでは、ナーン・ボスアック窯の後期陶磁に匣焼成が確認されているが、パヤオでも上写真のような匣が、用いられていたことは注目に値する。そして、その形状が特異である。これはパヤオのオリジナルか?それとも何処からかの影響か?
いずれにしてもウィアン・ブアの陶工が、この匣鉢を用いたことについて、どのように理解すればよいのであろうか。新たな課題である。
注釈
⑥スコータイ、シーサッチヤナーライを除く北タイで匣鉢を用いるのは、
ナーンの後期陶磁が知られているが、当地ウィアン・ブアでも用いられて
いるのは驚きであり、焼成技術伝搬解明の一助のなることが期待される。
<続く>
<ウィアン・ブア陶磁>
●焼成技術
ウィアン・ブア窯では盤や鉢について口縁同士を重ね合わせ、一番下には「ギージャーン」と呼ばれるDisk supportを置く。更に北タイで「ジョー」と呼ばれる匣鉢を用いる⑥。
匣鉢(Sagger)は、植木鉢に形の似た筒形状の容器で、砕いた石などの熱に強い材料を混ぜた土で作られている。上下の端の近くには3~4個の丸い穴が開けられており、強度を高めるために熱く作られている。匣鉢は、この中に施釉した盤、皿、鉢を入れて窯の中に並べて使われる。これは、傷の原因になる窯体や焼成物の落下を防ぐために用いられる。
(パヤオで「ジョー」と呼ぶ、筒状の形をしている匣鉢)
それ以外に匣鉢内の雰囲気温度を安定させ、焼成中の焼歪の問題を防ぐこともできる。匣鉢の一般的な大きさは、直径が約6cm-21cm、高さが約8cm-30cm、厚さは約1-1.5cmほどである。ブア村小学校の近くの古窯址で出土した匣鉢は、直径が約20cm、高さが約30cmであった。
北タイでは、ナーン・ボスアック窯の後期陶磁に匣焼成が確認されているが、パヤオでも上写真のような匣が、用いられていたことは注目に値する。そして、その形状が特異である。これはパヤオのオリジナルか?それとも何処からかの影響か?
いずれにしてもウィアン・ブアの陶工が、この匣鉢を用いたことについて、どのように理解すればよいのであろうか。新たな課題である。
注釈
⑥スコータイ、シーサッチヤナーライを除く北タイで匣鉢を用いるのは、
ナーンの後期陶磁が知られているが、当地ウィアン・ブアでも用いられて
いるのは驚きであり、焼成技術伝搬解明の一助のなることが期待される。
<続く>