世界の街角

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ハノイの博物館・美術館・その1:ハノイ国立博物館#3

2016-08-17 07:01:05 | 博物館・ベトナム
<続き>

ここからは、後黎朝前期以降の陶磁について、展示品の中から紹介する。

<15-16世紀:後黎朝前期>
青花花文皿               

青花『福』字碗           

青花菊花文碗
これら3点の青花陶磁は、キャップションによるとチューダゥ窯と紹介されている。輸出陶磁として焼造されたものと思われる。

<15-17世紀:後黎朝前期-莫朝-後黎朝後期>
青磁印花菊花文碗

青磁印花菊花文碗                  

青磁印花菊花文碗
いずれもオリーブ・グリーンに発色した青磁碗で、見込中央はいずれも菊花文である。また見込には目跡を認めることができる。やはり耀州窯や定窯の影響と考えられる。

青磁印花蓮花唐草文碗

青磁印花蓮花唐草文碗

白磁緑彩ち龍石灰壺
青磁碗は見込に5つの目跡をもつ。石灰壺はち龍の握手だが、実用を離れ装飾過多になっている。頭部はそのち龍と桃が貼花され、そこに緑彩されている。尚、白磁としたが高台を見ていないので白釉との区別がつかない。表面は無数の貫入をみる。

青花鳥文玉壺春瓶

青花鳥文玉壺春瓶
いずれも染付の発色は鮮明さを欠き、黒ずんだ発色となっている、コバルトの精製ができていないのか、不純物の多いコバルトしか入手できなかったと思われる。左右ともに鳥は小型の鳥で、イワツバメであろうか。

<16-17世紀:莫朝-後黎朝後期>
青花鳳凰文大壺
青花の発色は暗く、文様にも弛緩というか萎縮した運筆ばかりが目立っている。しかしその姿は堂々としている大きな壺である。

青花龍文大壺
表面には多くの貫入が走る。この時代の龍文に鱗をみることはできず、胴体の中央が塗りつぶされているのが特徴である。文様はやはり緩みがみられるが、この時代の特徴のひとつである。キャップションに寸法の記載はないが総高60cmを超える大壺である。

青花双龍貼花文燭台

青花褐彩火焔宝珠龍貼花文燭台
いずれも無釉の貼花文を巡らせる、莫朝陶磁の特徴である。燭台は胴裾の連弁との間に褐彩で区切りをつけている。いずれも大型の器物である。

                                 <続く>