世界の街角

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ハノイの博物館・美術館・その3:国立歴史博物館#1

2016-08-23 07:15:02 | 博物館・ベトナム
<続き>

国立歴史博物館所蔵のベトナム陶磁を見たく訪れた。外観は黄色が特徴の印象的な建物である。
先ず銅鼓の展示が素晴らしいと聞いていた。銅鼓はドンソン(東山)文化の代表的な青銅器である。ドンソン文化とは、ベトナム北部の紅河流域に成立した金属文化で、紀元前4世紀頃から紀元1世紀頃にかけて続いたと云われている。
その銅鼓が沢山展示されており、そのこと自体は圧巻である。写真撮影は入場料とは別料金を支払えば、撮影可能であるが、アクリライトのケースに入っており、光線が反射してきれいに写らない。しかし、その銅鼓文様は特に興味がある。
先ず入場券には銅鼓の打面文様が印刷されている。それをみると、光芒の先端が切れている。
この先端が途切れた光芒は、堺市博物館『タイの古陶磁』展で見た、サンカンペーンの印花文様(キャップション表示:実はナーン陶磁である)と同じである。
銅鼓以外の展示物で安南陶磁も圧巻である。それらについては次回紹介することにし、元寇に関する展示もあったので、それを紹介する。
ベトナムに対しての元寇は3次に及んだ。写真のパノラマは第3次の元寇の時、ベトナム(陳朝)が勝利を収めた白藤江(バクダンザン)の戦いを絵画にしたものである。ベトナムは王族の陳興道(チャンフォンダオ)が指揮をとり、元の軍船を白藤江の上流に誘い出し、潮が引いたとき身動きできないよう、白藤江の川底に写真の杭を打ち込んだのである。その杭は木造船の船底に、容易に穴をあけられると思われるほどである。
銅鼓、陶磁器以外に印象に残ったのは、上記の元寇関連展示物であった。

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