音楽番組やライブ映像を見ていると、口は動いているのだが、実際に歌っていないという場合がある。
観ていて恥ずかしくなる。
むかし日本の音楽番組で、ENYAやマライヤ・キャリー、ブリトニー・スピアーズが、堂々と「歌う演技」をしていたのを観た。
音と口が、微妙にずれているから、とても違和感を覚えた。
日本の歌手の中にも、ダンスをしながら歌う人や大人数のグループ、アイドルグループなどは、「ん? 歌ってない?」と感じさせる人たちがいる。
それを好意的にとらえる人は、下手な生歌を聴かされるより、歌っているフリの方がましだ、と考える。
もっと好意的な人は、顔が見えるだけで有り難い、と考える。
確かに、ファンは、それでいいのかもしれない。
だが、歌手というのは、歌を歌うのが仕事のはずである。
歌っているフリをするのが、プロの歌手だというのなら、誰でもプロの歌手になることができる。
それでは、プロのハードルが、低すぎないだろうか。
たとえば、ライブというのは、生で歌い、生で演奏し、生身の肉体が動くから、ライブなのである。
お顔を拝見し、お上手なダンスを観るだけのステージは、ただのパフォーマンスの場でしかない。
私の偏見かもしれないが、外国から日本にやってくるミュージシャンが、プロモーションで日本のテレビ番組に出ると、高い確率で「歌っていない」場合が多い。
日本の歌手より遥かに高額の報酬を受け取っている人が、そのお声を聴かせない、という現実は何を意味するのだろう。
もともと来日の契約条項に、その種の約束があるからか。
あるいは、外国のプロ歌手は、テレビでは口を動かすだけでいいという暗黙の了解があるとか。
または、「CDと違って下手」と言われるのを恐れているのか。
まさか、日本の視聴者を馬鹿にしているなんてことは・・・・・。
たとえば、オペラ歌手の中には、俺様はタバコを吸っているが、関係なく歌うことができるぞと豪語する人もいるが、プロ意識に徹したほとんどのオペラ歌手は、タバコを吸わないようだ。酒を飲まないという人も多い。
聞くところによると、B'zの稲葉浩志は、タバコを吸わず、コーヒーなどの刺激物もとらず、夏は冷房も避けて、加湿器、吸入器などで、喉を保護しているのだという。
中には、それをストイックすぎる、と揶揄する人がいるようだが、高額の報酬をもらうプロの「自己管理」として、それは当たり前のことのように、私には思える。
ライブや音楽番組の収録に合わせて、体調を整える。
それは、オリンピック出場選手が、オリンピックに合わせて調子を整えるのに似ている。
ボクシングの世界タイトルマッチで、チャンピオンが調子をピークに合わせることと同じだとも言える。
企業のコンペで、プレゼンテーションに備えて、すべての準備をして万全の体制で臨むのと一緒である。
マラソン選手が、五輪本番で走るフリはできない。
世界タイトルマッチで、お互いがシャドー・ボクシングをするだけなんて、ありえない。
資料も説明もないプレゼンテーションなんて、ない。
毎回準備しないで登板し、毎回KOされる投手は、首脳陣からもファンからも信頼されない。
普通なら、プロとして失格、の烙印を押される。
ただ、プロ歌手を、それらと同列に厳密に規定しなくてもいいだろう、という考え方は、あるかもしれない。
歌手というのは、競うものではなく、楽しませる職業だ。
受け手側が、それを観て楽しくなれば、その人はプロとしての素質があるのではないか、と思う人もいるだろう。
その考え方を否定はしないが、私は、それを認めたくはない。
テレビの音楽番組に出て、本当に「歌っていない歌手」は、ライブでも「歌っていない」のではないか、と私などは思ってしまう。
高額のチケット代を支払って、時間のやり繰りをして、遠いライブ会場まで足を運び、開演前に胸をときめかせる。
しかし、幕が開くと、その歌手は「歌っていない」のである。
その姿を見たら、私は楽しめない。
裏切られたような気になる。
観ていて恥ずかしくなる。
むかし日本の音楽番組で、ENYAやマライヤ・キャリー、ブリトニー・スピアーズが、堂々と「歌う演技」をしていたのを観た。
音と口が、微妙にずれているから、とても違和感を覚えた。
日本の歌手の中にも、ダンスをしながら歌う人や大人数のグループ、アイドルグループなどは、「ん? 歌ってない?」と感じさせる人たちがいる。
それを好意的にとらえる人は、下手な生歌を聴かされるより、歌っているフリの方がましだ、と考える。
もっと好意的な人は、顔が見えるだけで有り難い、と考える。
確かに、ファンは、それでいいのかもしれない。
だが、歌手というのは、歌を歌うのが仕事のはずである。
歌っているフリをするのが、プロの歌手だというのなら、誰でもプロの歌手になることができる。
それでは、プロのハードルが、低すぎないだろうか。
たとえば、ライブというのは、生で歌い、生で演奏し、生身の肉体が動くから、ライブなのである。
お顔を拝見し、お上手なダンスを観るだけのステージは、ただのパフォーマンスの場でしかない。
私の偏見かもしれないが、外国から日本にやってくるミュージシャンが、プロモーションで日本のテレビ番組に出ると、高い確率で「歌っていない」場合が多い。
日本の歌手より遥かに高額の報酬を受け取っている人が、そのお声を聴かせない、という現実は何を意味するのだろう。
もともと来日の契約条項に、その種の約束があるからか。
あるいは、外国のプロ歌手は、テレビでは口を動かすだけでいいという暗黙の了解があるとか。
または、「CDと違って下手」と言われるのを恐れているのか。
まさか、日本の視聴者を馬鹿にしているなんてことは・・・・・。
たとえば、オペラ歌手の中には、俺様はタバコを吸っているが、関係なく歌うことができるぞと豪語する人もいるが、プロ意識に徹したほとんどのオペラ歌手は、タバコを吸わないようだ。酒を飲まないという人も多い。
聞くところによると、B'zの稲葉浩志は、タバコを吸わず、コーヒーなどの刺激物もとらず、夏は冷房も避けて、加湿器、吸入器などで、喉を保護しているのだという。
中には、それをストイックすぎる、と揶揄する人がいるようだが、高額の報酬をもらうプロの「自己管理」として、それは当たり前のことのように、私には思える。
ライブや音楽番組の収録に合わせて、体調を整える。
それは、オリンピック出場選手が、オリンピックに合わせて調子を整えるのに似ている。
ボクシングの世界タイトルマッチで、チャンピオンが調子をピークに合わせることと同じだとも言える。
企業のコンペで、プレゼンテーションに備えて、すべての準備をして万全の体制で臨むのと一緒である。
マラソン選手が、五輪本番で走るフリはできない。
世界タイトルマッチで、お互いがシャドー・ボクシングをするだけなんて、ありえない。
資料も説明もないプレゼンテーションなんて、ない。
毎回準備しないで登板し、毎回KOされる投手は、首脳陣からもファンからも信頼されない。
普通なら、プロとして失格、の烙印を押される。
ただ、プロ歌手を、それらと同列に厳密に規定しなくてもいいだろう、という考え方は、あるかもしれない。
歌手というのは、競うものではなく、楽しませる職業だ。
受け手側が、それを観て楽しくなれば、その人はプロとしての素質があるのではないか、と思う人もいるだろう。
その考え方を否定はしないが、私は、それを認めたくはない。
テレビの音楽番組に出て、本当に「歌っていない歌手」は、ライブでも「歌っていない」のではないか、と私などは思ってしまう。
高額のチケット代を支払って、時間のやり繰りをして、遠いライブ会場まで足を運び、開演前に胸をときめかせる。
しかし、幕が開くと、その歌手は「歌っていない」のである。
その姿を見たら、私は楽しめない。
裏切られたような気になる。