リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

地雷を踏んだ橋下氏

2013-05-19 07:30:00 | オヤジの日記
維新の会が、右往左往している。

なぜ今ごろ、従軍慰安婦問題という「地雷を踏む」ようなことを橋下徹氏が提議したのか、理解に苦しむ。

橋下氏の今までの手法は、かつての小泉純一郎元総理のように、無理矢理抵抗勢力を作って、それに立ち向かうポーズをして有権者の興味を惹くというものだった。

それは、既得権にしがみつく権力的なものや閉塞感を漂わせた社会に対して不満を持っていた人の琴線をくすぐることで、何かしらの期待を政治家に対して抱かせる手法だった。

勢いのある、ワンフレーズの言葉。
あるいは、耳に心地よいキャッチコピー。

私の個人的な感想だが、そのような言動をする人を日本人は好むような気がする。

小泉純一郎氏、長嶋茂雄氏、北野武氏、石原慎太郎氏、そして橋下徹氏。

彼らは、キャッチコピーを作るのは上手だが、その後に続く本題を聞いてみると、キャッチコピーを展開するほどの理論性はなく、唯我独尊的、あるいは自己陶酔型の意見を開示していることが多い。

その方式は、国内では通用しても、彼らに対してシンパシーを持っていない海外の理詰めの為政者やマスメディアには、通用しないのではないだろうか。


歴史問題、侵略問題は、国によって定義が異なる「自己都合」のテーマだと私は思っている。

とりわけ、戦争に勝った国は敗戦国に対して、永久に心理的に優位でいられるものだ。
だから、彼らに無理に議論を仕掛けるのは、賢いやり方とは言えない。

人間の心理として、勝者は、いつまでも勝ち誇りたいものだ。
その歪んだプライドに、無理に挑む必要はない。

どの国だって、為政者が劇的に変われば、歴史問題、侵略問題は、違うステージに行くか、「自己都合」で定義が180度変わることもあり得る曖昧なものだ。
そんな曖昧な定義に対して、ムキになることはないのではないか。

歴史問題は、長い期間をかけて歴史に埋もれさせた方がいい。

アメリカが奴隷解放を綺麗事の歴史にしたように。
イギリスがアヘン戦争を列強各国の侵略戦争の中に埋もれさせたように。
そして、欧州列強が、アフリカ切り取り合戦によって作り上げたアフリカの負の遺産を知らんぷりしているように。

従軍慰安婦問題は、歴史に埋もれさせるには、まだ新しすぎるテーマだ。
無理に掘り起こす必要はない。


今回、国内でしか通用しない理論、手法をとって、物議をかもした橋下氏。

彼が、キャッチコピーだけの政治家ではないことを示すには、今回のことはいいチャンスかもしれない。

ネットの記事で見る限り、氏の言動は右往左往、朝令暮改している。
何があっても受け入れる橋下シンパに対しては強気の姿勢は有効でも、このままでは理詰めの「自己都合」を主張する他国の政府、メディア相手には、分が悪いのは間違いない。


この窮地を多少の傷だけで乗り切れたら、彼の政治家としてのステージは、確実に一つ上がるのだが。