野茂英雄氏が、日本の野球殿堂入りを果たした。
メジャーリーグでの殿堂入りを逃したばかりだったので、これは嬉しいニュースだった。
今年のメジャーの殿堂入り資格者は、300勝投手が2人もいるなど高いレベルのものだった。
123勝の野茂氏が、いくら日米野球の架け橋になった、という事実があったとしても、投票資格者である米国記者たちにとって、その印象は薄かったに違いない。
メジャーの殿堂や日本のプロ野球の殿堂が、プレーヤーにとって最大の名誉であり栄誉であることは、容易に想像がつく。
だから、ファン心理として、どちらの栄誉も得て欲しかったが、日本の殿堂入りだけでも、野茂氏にとって最高の栄誉であることは間違いない。
約20年前、野茂氏がバッファローズを任意引退選手になって、アメリカ野球に挑戦したとき、日本プロ野球機構は「自己中心的である」と批判し、それにマスメディアも追随して「アメリカで通用するわけがない」などとネガティブ・キャンペーンを展開したものである。
当時のバッファローズ監督の300勝投手・鈴木啓示氏に遠慮してか、投手出身の評論家のほとんどは、野茂氏の挑戦に関して否定的だった。
江川卓氏もその一人で、「あのストレートでは通用しない」と言っていた。
多くのスポーツキャスターの意見も否定的だった。
司会者の小倉智昭氏も否定的なことを言っていた記憶がある。
私の知っている限りでは、好意的だったのは、江夏豊氏が「環境に慣れれば、10勝はできる」と言っていたくらいだろうか。
つまり、何もかもを否定されて、日本に帰る道はない、という完全に退路を断たれた形でのメジャー挑戦だった。
まさしく「石もて追われる」という状況だった。
正直、私も最初の1年目は、マイナーで調整。
翌年から5勝以上あげれば上出来ではないか、と思っていた。
何のことはない。
私も野茂英雄氏の実力を過小評価していたのだ。
ここは、素直にお詫びしたいと思う。
それほど私の頭の中では、メジャーリーグというのは、レベルの高い世界であるとの認識が強かった。
たとえ日本一の投手だったとしても、そのハイレベルの世界で勝つのは容易ではない。
ましてや、ステロイド全盛時代のメジャーリーグだ。
筋肉の鎧で全身を固めた主軸打者が、どのチームにも数人はいたのだ。
明らかに異次元の世界である。
そして、その異次元の世界で、野茂氏は「勝利者」になった。
重ねて、野茂氏を過小評価していたことをお詫びしたい。
野茂氏の活躍によって、メジャーリーグは、アジアの野球選手への門戸を開くようになった。
それだけでも野茂氏の功績は、大きい。
ノーヒットノーラン2回と最多奪三振2回は、メジャーの歴史に大きく刻まれると思うが、アジアの選手たちにメジャーへの道を切り開いた功績は、他と比較できないほど大きい。
そのことも含めて、テキサス・レンジャースの秋信守選手が、「野茂選手は、もっと評価されてもいい」と言っているようだ。
私も、そう思う。
ステロイド全盛期の打者相手に、13勝以上を6度達成した野茂英雄氏。
現在と比較することがナンセンスだというのは承知だが、ステロイドが本塁打を飛躍的に増やしたことに対抗するように、投手もステロイドで球速をあげるという時代に、非ステロイド系の投手が勝ち星を積み重ねるのは、容易ではなかったはずだ。
挑戦に批判的だった日本球界、保守的な論理で批判を繰り広げたマスメディア、そして海を渡ったら、ステロイドに毒された筋肉世界。
ほとんど四面楚歌の状況で、123の勝ち星を積み上げたのだから、野茂氏は、本当にもっと尊敬、評価されてもいいと思う。
5勝できればいい、と思っていた私が、言うことではないかもしれないが………。
メジャーリーグでの殿堂入りを逃したばかりだったので、これは嬉しいニュースだった。
今年のメジャーの殿堂入り資格者は、300勝投手が2人もいるなど高いレベルのものだった。
123勝の野茂氏が、いくら日米野球の架け橋になった、という事実があったとしても、投票資格者である米国記者たちにとって、その印象は薄かったに違いない。
メジャーの殿堂や日本のプロ野球の殿堂が、プレーヤーにとって最大の名誉であり栄誉であることは、容易に想像がつく。
だから、ファン心理として、どちらの栄誉も得て欲しかったが、日本の殿堂入りだけでも、野茂氏にとって最高の栄誉であることは間違いない。
約20年前、野茂氏がバッファローズを任意引退選手になって、アメリカ野球に挑戦したとき、日本プロ野球機構は「自己中心的である」と批判し、それにマスメディアも追随して「アメリカで通用するわけがない」などとネガティブ・キャンペーンを展開したものである。
当時のバッファローズ監督の300勝投手・鈴木啓示氏に遠慮してか、投手出身の評論家のほとんどは、野茂氏の挑戦に関して否定的だった。
江川卓氏もその一人で、「あのストレートでは通用しない」と言っていた。
多くのスポーツキャスターの意見も否定的だった。
司会者の小倉智昭氏も否定的なことを言っていた記憶がある。
私の知っている限りでは、好意的だったのは、江夏豊氏が「環境に慣れれば、10勝はできる」と言っていたくらいだろうか。
つまり、何もかもを否定されて、日本に帰る道はない、という完全に退路を断たれた形でのメジャー挑戦だった。
まさしく「石もて追われる」という状況だった。
正直、私も最初の1年目は、マイナーで調整。
翌年から5勝以上あげれば上出来ではないか、と思っていた。
何のことはない。
私も野茂英雄氏の実力を過小評価していたのだ。
ここは、素直にお詫びしたいと思う。
それほど私の頭の中では、メジャーリーグというのは、レベルの高い世界であるとの認識が強かった。
たとえ日本一の投手だったとしても、そのハイレベルの世界で勝つのは容易ではない。
ましてや、ステロイド全盛時代のメジャーリーグだ。
筋肉の鎧で全身を固めた主軸打者が、どのチームにも数人はいたのだ。
明らかに異次元の世界である。
そして、その異次元の世界で、野茂氏は「勝利者」になった。
重ねて、野茂氏を過小評価していたことをお詫びしたい。
野茂氏の活躍によって、メジャーリーグは、アジアの野球選手への門戸を開くようになった。
それだけでも野茂氏の功績は、大きい。
ノーヒットノーラン2回と最多奪三振2回は、メジャーの歴史に大きく刻まれると思うが、アジアの選手たちにメジャーへの道を切り開いた功績は、他と比較できないほど大きい。
そのことも含めて、テキサス・レンジャースの秋信守選手が、「野茂選手は、もっと評価されてもいい」と言っているようだ。
私も、そう思う。
ステロイド全盛期の打者相手に、13勝以上を6度達成した野茂英雄氏。
現在と比較することがナンセンスだというのは承知だが、ステロイドが本塁打を飛躍的に増やしたことに対抗するように、投手もステロイドで球速をあげるという時代に、非ステロイド系の投手が勝ち星を積み重ねるのは、容易ではなかったはずだ。
挑戦に批判的だった日本球界、保守的な論理で批判を繰り広げたマスメディア、そして海を渡ったら、ステロイドに毒された筋肉世界。
ほとんど四面楚歌の状況で、123の勝ち星を積み上げたのだから、野茂氏は、本当にもっと尊敬、評価されてもいいと思う。
5勝できればいい、と思っていた私が、言うことではないかもしれないが………。