リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

リードが取れてパニック

2017-03-12 07:18:00 | オヤジの日記

100円ショップには、10年以上行ったことがなかった。

10年以上前のことだが、娘の自転車のベルが壊れたので、100円ショップでベルを買った。

私のも壊れていたが、基本的に私は「ベルを鳴らさない派」なので、ずっと放っておいた。

だが、娘に「おまえも付けろ」と言われて、百円なら、まあいっかー、と思って付けた。

しかし、付けたその日に、ベルの上の部分が2つとも取れたのだ。

私は、世界で2番目に不器用な男なので、私の付け方が間違っていたのだと思った。

だから、また同じものを買って、今度は近所に住む芝浦工大の学生に付けてもらった。

彼は、自分でエレキギターとアンプを作るくらい器用な男だった。

そのイトウ君が、「先生、これ、誰だって付けられる簡単なものですよ。器用な先生が、なんで俺に頼むんですか」と言った。(イトウ君は、私のことを『先生』と呼んで、いつもバカにしていた)

だが、イトウ君に付けてもらった自転車のベルは、私のは次の日に上の部分が落ち、娘のは6日目に取れた。

同じものを4つ買って、同じように上の部分が取れるのは、偶然とは言わない。

「欠陥品」という。

それ以来、私は100円ショップを信用しないようになった。

 

だが、武蔵野から国立に引っ越したとき、ヨメが速射砲のような勢いで言ったのだ。

「ダイニングのコード類が、ごちゃごちゃしていて、みっともないから、まとめたら!」

パソコン周り、オーディオ、テレビ周り。

たしかに、ごちゃごちゃはしていた。

でも、武蔵野のアンボロアパートでも、ごちゃごちゃしていたはずだけど・・・。

「武蔵野はいいの!

ここは新居で、しかもダイニングは綺麗でしょ。

みっともないじゃない!」

・・・と命令されたので、コード類をまとめるグッズを買うことにした。

今までならホームセンターに行って、頑丈なものを買ったところだが、引っ越しで疲れていたので、長年の方針を変えて、駅前の100円ショップを利用することにした。

娘に、「百円グッズで、ボクの部屋をアレンジするぞ。ロッケンロールな部屋にするからな。一緒に100円ショップに行こうぜ。金はおまえが出すんだ」と脅されつつ、付いていった。

私は千円程度の買い物だったが、娘は3千円以上を買い漁った。

これは、娘にたかられた、というのが正しい認識だろうが、バカ親父は、エヘヘヘと喜んで金を払った。

ダイニングがスッキリした。

娘の部屋も、ロッケンロールに変身した。

満足した二人は、まったく同時に「セキトリを散歩させようか」とハモった。

100円ショップに、犬用のハーネスとリードがあったので、買ってきたのだ。

犬用ではあるが、猫に使ってはいけない、という条例は国立市にはない。

だから、セキトリに付けてみた。

総額216円のハーネスとリードは、元ノラ猫に相応しいものだった。

お似合いです。

セキトリ君。

 

国立市東1丁目のマンションから300メートルほど離れたところに、小さな公園があった。

そこに、セキトリを抱きかかえて連れて行った。

そして、公園に入ったら地面に降ろして、リードをコントロールしながら、セキトリを自由自在に歩かせた。

これで、運動不足が解消できるはずだ。

セキトリは、とても嬉しそうだった。

リードを嫌がるかと思ったが、ときどき私の顔を確認しながら、まるで猫のようなステップで公園を走り回った。

ワーイ、ワーイ!

タノシイニャーン!

しかし、その喜びは、一瞬で恐怖に変わった。

公園に、ソフトバンクのお父さんに似た白い犬が、入ってきたのだ。

フンギャッ! と言って、セキトリが急にギアをあげた。

セキトリの力は凄まじいものだった。

その突然のギアチェンジに、ハーネスとリードを繋ぐリングが、大きな負荷に耐えきれずに壊れた。

セキトリは、フンギャーーーー! と叫びながら、リードのないハーネスを付けたまま公園の外に逃れた。

本能的に、公園の外に逃れれば安全だと思ったのだろう。

公園の外に出てすぐに、セキトリは冷静を取り戻した。

公園の外から、セキトリが「ナーオ、ナーオ、ナーオ! ガイコツオヤジィー!」と伸び上がるようにして、私を呼んだ。

私と娘が公園の外に出ると、セキトリは、文字通り飛ぶようにして、私の胸に飛び込んできた。

「イエニ、カエローニャー!」

そうだな、家に帰ろうニャー。

100円ショップで買ったハーネスとリードは、もろかった。

 

家に帰った私は、早速Amazonで1900円のハーネスとリードを注文した。

ブス猫には不釣り合いなくらいの可愛いハーネスだったが、これは値段相応に頑丈だった。

テンション高いセキトリの3回の散歩にもビクともせず、その役割を果たしていた。

「結局は、百円グッズってのは、使い捨てだよな」と娘。

 

そんなこともあって、また100円ショップが嫌いになりそうな私だった。