看板が、突然友だちになった。
国立駅まで歩いていく途中で、世界がクルンと回った。
看板にしがみついたのだ。
それを見ていた若い女性が心配して、「大丈夫ですか」とミネラルウォーターを渡してくれた。
飲んで、復活した。
ありがとうございます。
得意先での打ち合わせを終えて、抱きつきやすい看板を探しながら、掛かり付けの医院に行った。
「ヘモグロビンの数値が8まで下がってますよー!」
女医さんが、真ん丸目で大袈裟に驚いた。
「これは、入院ですね。検査をしましょう」と深刻に下まぶたを覗き込まれた。
いや、私は、入院と東急インは嫌いなんですよ。
昔、大阪の東急インに泊まったとき、寝起きドッキリに遭ったんです。
寝ていたら、いきなり掃除のオバちゃんが入ってきたんです。
連泊で、「ドント・ディスターブ」の札もかけていたのに、いきなりですよ。
どんな従業員教育をしているんでしょうかねえ。
あれ以来、私は東急インは無理です。
おや、女医さんが険しい顔をしているぞ。
まさか、女医さんも東急インに恨みがあるとか。
「では、3日連続の点滴と普段の倍の鉄剤を飲んでください。本来なら、胃カメラや大腸内視鏡をやりたいところですが、少し様子を見ましょうか」
険しい顔は、まだ続いていた。
3年前の6月。
ヘモグロビンの数値が5.9まで下がったことがあった(一般の男性の平均値は14らしい)。
内臓の出血を疑われて、胃カメラ、大腸内視鏡、MRIなどという高尚な検査をしていただいた。
そのときも「入院! 死にますよ!」と脅かされたが、今回のように東急インを持ち出して、入院を免れた。
内臓からの出血は見当たらなかったので、医師も入院を強行できなかったようだ。
5日連続の点滴と1回の輸血で、ヘモグロビンが11まで持ち直した。
しかし、それ以来、私は貧血用の鉄剤が手放せなくなった。
鉄剤を飲んだことがない人にはわからないでしょうが、ウンチがマックロクロスケになるのですよ。
あ、食欲がなくなりましたか?
今回は、3日後に検査したら、数値が9.6まで上がった。
これは、バンザーイじゃないですか。
「バンザイなんかじゃありません!」と女医さんに怒られた。
「鉄剤をいつもの2倍。それと、絶対安静。栄養のあるものを摂ってください。この数値では、心筋梗塞と脳梗塞のリスクが高まりますから、ゼッタイに無理をしないでください」
はい、無理をしない程度に、昨日の夜、5キロウォーキングしてきました(本当は走りたかったが、女医さんの顔を立てた)。
ウォーキングのあとの爽快感がたまりませんなあ。ビールも美味いし。
4日連続、自宅で丼パーティをして、栄養も付けたし(エビ天丼、鶏天丼、かき揚げ丼、サンマ蒲焼き丼)。
ただ、ウンチがねえ・・・・・。
また、月曜日に血液検査です。
11まで上がれば、ラッキー。
来週の土曜日は、大学4年の娘と夜行バスに乗って、大阪に行く予定だ。
串カツを食いまくるのだ。
それは、娘が高校1年からの恒例行事だった。
毎年続けていたが、昨年は、娘が韓国に留学していたので行けなかった。
だから、今年はゼッタイに行きたい。
気まぐれなヘモグロちゃん、ゼッタイに11まで上がってくれ。
11まで上がれば、ノープロブレムだ。
一週間、いい子でいますから、ぜひ上がってください。
ヘモグロちゃん、よろしくお願いします!