リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

高田純次化

2017-09-17 06:12:00 | オヤジの日記

微妙な結果だった。

 

ヘモグロビンの数値が10.3だったのだ。

11に届かなかった。

昨日の土曜日は、夜行バスに乗って、娘と大阪に串カツツアーに行く予定だった。

私は、大丈夫だと主張したが、娘が「今回は延期しよう。向こうでなんかあったらヤバい。台風も来てることだし、来週まで待とう」とストップをかけた。

私は他人の言うことは聞かないが、娘の言うことは素直に聞く。

だから、延期することにした。

 

日曜日は、完全にオフの予定だったので、丸一日が空くことになった。

そこで、娘と立川ららぽーとに行くことにした(台風が来ても行く)。

娘だけではなく、娘のお友だちも一緒に行くことになった。

娘のお友だちのミーちゃんは、中学3年から高校1年にかけて、我が家に居候をしていた時期があった。

ご両親の離婚騒動に耐えられなくなって、我が家に避難してきたのだ。

ミーちゃんと娘は、同じ高校に進学した。

ちなみに、大学はお互い目指すものが違うので、違う大学に進んだ。

 

娘とミーちゃんは、顔も体型もよく似ていた。

双子に間違えられることは、しょっちゅうだ。

教師もたまに間違えることがあったという。

ただ、一番違うところは、娘は小食だが、ミーちゃんは大食いだというところだ。

タラコ1腹とゴマ塩で、米を三合も食うのである。

とても米が大好きな子で、米さえあれば、おかずは何でもいいというタイプだった。

ただし、こだわりがあって、味のついたチャーハンやピラフは嫌いだった。白米の味が純粋に好きなのだ。

食いっぷりは、ほれぼれするほどだ。

高校1年の4か月ほど、二人に弁当を持たせた。

娘は一段だったが、ミーちゃんの弁当は三段重ねだった。下二段が白米。それを毎日、米をひと粒も残さずに食べてくれた。嬉しかった。

 

居候をし始めた頃、ミーちゃんの衣類は、気を使って我々とは別に洗っていた。

しかし、「大変だから、みんなと一緒に洗ってくださいよ」と言われた。

洗った下着などを干していても、ミーちゃんは、まったく平気な顔をしていた。

それどころか、夏などは、娘と同じように下着姿で室内を平気で動き回った(私はパンイチですが・・・ガイコツのパンイチ・究極のクールビズ)。

娘がもう一人できた気がした。

中学3年の5月から高校1年の7月まで、ミーちゃんは我が家にいた。

合計で14か月。

 

私としては、娘のつもりでいたから、嫁に行くまで家にいてもらいたかった。

しかし、高校1年の7月に突然、立て続けに児童相談所と高校の校長から電話があった。

ミーちゃんの母親が、児童相談所と高校に相談に行ったようなのだ。

ミーちゃんは、父親と暮らしたかったが、ミーちゃんの親権は母親が得た。その結果はミーちゃんにとって不本意なものだった。

離婚調停は3か月で結論が出たが、その後も11か月間ミーちゃんは我が家にい続けた。

それが、イレギュラーな状態だということは私にもわかっていた。

しかし、ミーちゃんが帰りたがらなかったのだ。

 

児童相談所の人は、紳士的な言い方をしてくれたが、高校の校長はとても高圧的だった。

私を犯罪者扱いした。

「あんたには、常識がないんですか! これは、言ってみれば犯罪ですよ!」

犯罪を3回繰り返した(子どもを人質に取っているから、低能な教育者ほど強気だ)。

腹を立てた私は、モンスター・ペアレントになった(世間はモンスター・ペアレントに対して批判的だが、モンスター・ティーチャーの方が数が多いことを忘れている)。

では聞きますが、14か月間一度も挨拶に来ず、電話もしてこない母親は常識があるんですか。こっちは何度も電話しているのに、相手は出ないんですよ。父親に電話をしたが、「娘の好きにさせて」ですよ。それを知っていて、あんたは言っているんですか。この電話は録音してありますから、あんたを名誉毀損で訴えることもできますよ。犯罪という言葉を今すぐ撤回しなさい。

校長は、渋々だが謝ってくれた。

 

そのあと、ミーちゃんは「迷惑をかけてごめんなさい」と泣きながら頭を下げて、母親の元に帰っていった(迷惑なんかかけていないのに)。

全員でハグをして別れた。

そのあと、家族の誰もが、しばらく無口になった。

ミーちゃんのいない生活に慣れるまで、かなり時間がかかった。

しかし、母親と折り合いの悪いミーちゃんは、その後も月に最低2回は、我が家に泊まりにきた(いつかミーちゃんのお母さんに誘拐罪で訴えられるかもしれない)。

ミーちゃんが来ると、家が華やかになった。

そして、その度に、ミーちゃんが私に言った。

「パピーは、だんだんと高田純次化してきてるよね」(ミーちゃんは私のことをパピーと呼んだ)

「顔もそうだけど、テキトーなところと言葉に心がこもっていないところがそっくり」

 

そう言われると私は、いつも嬉しくなる。

20年前から言っていることだが、私の尊敬する人は、高田純次師匠、志村けん師匠、出川哲朗師匠、江頭2;50師匠だ。

口先だけで笑いを取らず、人の悪口も言わず、体を張って笑いを取る芸人さんが私は好きだ。

高田純次師匠に似ているというのは、最高級の褒め言葉だ。

嬉しい。

だから、その度にミーちゃんの頭をポンポンした。

ミーちゃんは「馴れ馴れしいんだよ」とは言うが、いつも顔は笑っていた。

 

私は、娘の結婚式とミーちゃんの結婚式では、号泣する自信がある。

これだけ濃密な時間を過ごしているのだ。

泣かない理由がない。

 

どうやら来週の串カツツアーに、ミーちゃんも来る気配だ。

アルバイト代が入ったばかりだというので、交通費は自分で出すという。

しかし、食費は私持ちだ。

きっと常識外れの数の串カツを食うのだろうな。

久しぶりにクレジットカードを使うことになりそうだ。

 

幸いにも、一週間延期したことで、楽しみが増えた。

 

ヘモグロちゃん、今度こそアゲアゲでお願いします(アゲアゲって、もう死語?)。