リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

野球は しらん

2019-08-04 06:03:00 | オヤジの日記

全米が泣いた。

全蝉が鳴いた。

ミーンミンミンミン  ジジー  ミーンミンミンミン  ジジー

あー、うるさい! まだ、ジジイじゃないわい!

 

滅多に仕事をくれないが、年に1回程度思い出したように、私に仕事を出す会社がある。場所は東京池袋の隅っこ。大型看板や広告を扱う総勢4名の地味な会社だ。

社長夫婦と従業員夫婦の4名。大変仲がいい。

今回、私に回ってきた仕事は、大型看板に使う3Dパースの修正の仕事だ。リアルに出来上がったパースに、足りないものを付け足す仕事。樹木を足したり、人物、車などを切り取って足すのである。

タスタスおじさんと呼んでくだされ。

 

タスタスおじさんが、仕事の打ち合わせをしているとき、蝉がうるさかった。窓外に太い幹の樹木が2本あった。そこにひっついている蝉が全力で鳴くのだ。

ミーンミンミンミン  ジジー

君たち、人間をもっと尊敬したまえ。

 

社長に言われた。

「この時期、Mさんを呼ぶのは、失敗でしたね」

この会社の社長夫婦、従業員夫婦は、熱狂的なヤクルトスワローズファンだった。年間30回以上神宮球場に足を運ぶ、私から見たら野球バカにしか見えないクレージーケンバンドだ。

 

それに対して、私は野球に興味がない。それは、ジャイアンツのせいだ。

私も小学5年生あたりまでは、野球が好きだった。毎日、学校帰りに目黒不動尊近くの野原で草野球をした。

ピッチャーで1番。1番は、たくさん打席が回ってくる。だから、オレ、1番じゃないとやだもんねと主張したら、1番にしてくれた。ピッチャーは、当時やるやつがいなかった。なぜかわからないが、ほとんどのやつがサードかファーストを希望したから、無競争だった。

 

ただ、私は、ALFEE突然、まわりのやつらのバカさ加減に気づいたのだ。

全員が、ジャイアンツファン。しかもジャイアンツの選手のことしか知らない。ルールもよく知らない。

当時、野球中継といえば、ジャイアンツ戦が中心だった。連日、ジャイアンツを中心にした野球中継をテレビでは流していた。

要するに、洗脳ですよ。

毎日、ジャイアンツ中心の野球中継を流すことによって、免疫力のない少年たちを洗脳していたのだ。

クラスのほとんどが、ジャイアンツファンだった。それが居心地が悪かった。

毎日試合を見ているのに、そのくせ彼らは対戦相手のことには全く興味がないのだ。ジャイアンツの選手のことしか知らない。そのいびつな状態が、私を居心地悪くさせた。

彼らは、ジャイアンツが勝てばいいのだ。試合を楽しむより、ジャイアンツの勝利が優先事項なのである。

それに気づいたとき、熱が冷めた。スポーツは、そんなもんじゃないよね。共存共栄だよね。ジャイアンツが中心の世界って、ただの宗教じゃん。あるいは、中華思想。

くそガキだった小学5年の私は、そこで冷めてしまったのである。

 

今も私のまわりにアホなジャイアンツファンが何人かいた。

埼玉の同業者「ハゲ増し軍団」は、熱狂的なジャイアンツファンだ。「応援歴50年以上の筋金入りのジャイアンツファンですよ」と胸を張る。

だが、よく聞いてみると、やはり子供のころから、テレビの野球中継はジャイアンツが中心。それに影響されてファンになった。そして、他のチームの選手のことを驚くほど知らない。

たとえば、メジャーリーグから帰ってきた広島カープの黒田博樹投手のことを知らなかった。メジャーリーグから帰ってきたヤクルトスワローズの青木宣親選手のことも知らなかった。

君たち、ジャイアンツの選手が、そんなに偉いのかい。黒田博樹投手や青木宣親選手よりも順位は上なのか。

唯我独尊のジャイアンツファン(もちろんそれが一部の人だということは知ってます)。

 

ヤクルトスワローズファンの得意先の人たちは、その点、野球偏差値が高い。パシフィックリーグの選手たちのこともご存知なのだ。私は名前を知らないが、「ソフトバンクホークスの誰それはすごいよね。西武ライオンズの誰それはメジャー級だよね」などという意見をヤクルトスワローズ礼賛の話の中で、散りばめるのである。

ヤクルトを毎日飲んで元気をつけ、でっかいヤクルトスワローズのポスターを壁に貼って、元気をいただきながら毎日仕事をする4人。

ヤクルト愛に満ちていますねえ。

私が、ところでヤクルトスワローズは今調子がいいんですか、と聞くと、社長は「絶不調です」と明るく答えた。

そして、「調子の波がハゲしいのが、スワローズですから」とハゲた頭を愛おしそうに撫でた。

勝ち負けに一喜一憂せず、温かい目で見守るのもヤクルト愛ですかね。

 

話変わって、高校野球でございます。

私は高校野球にも興味がないのです。

大手新聞社と国営放送が、やたら押しまくる春や夏の行事が苦手なのでございます。

あからさまに高校生を利用して金儲けをしているのに、「汗と涙」などと言って、綺麗事で誤魔化しているところが気にくわない。

むかし、気に食わないなら見るなよ、と盲目的な高校野球ファンから、罵られたことがあった。

なにを言っているの? 俺は、最初から見ないと言っているの聞いてなかったの? 話にならん。

 

池袋の得意先では、仕事場の真ん中に40インチの液晶テレビを置いて、季節になると、高校野球を毎日垂れ流しているのです。

ナンタラ高校とホンワカ高校が強豪校と言ったって、私にはわかりません。そもそも国営放送が、地上波で朝から晩まで特定のスポーツを中継する意味が、私にはわかりません。国営放送は、国民を洗脳するのが仕事だとおごり高ぶっているのか。

 

そんな私に、社長が身を乗り出して聞いてきた。

「Mさんは、どう思いますか、大船渡の決勝問題」

その話題は、いくら高校野球に疎い私でも知っていた。Yahooトップニュースの見出ししか知らないのだが、将来有望なエースピッチャーが、地方予選の決勝で投げなかったため、甲子園切符が取れなかったというやつだろう。

投げたくなかったのか投げられなかったのか投げさせなかったのかは、記事を読んでいないので、よく知らない。

しかし、いずれにしても、監督が決めて選手が決めたものを外野がとやかく言うのは、お門違いだ。高校野球の主体は、監督と選手ではないのですか。彼らの決定を尊重しましょうよ。

私などは、外野席にも席がないど素人だから、発言権はない。発言しちゃったけどどどどど。

 

ところで、今はまだ液晶テレビが、ど真ん中に置かれていないから、甲子園は始まっていないと見た。

しかし、次に来たときは、始まっているのだろうな。

一日中付けっ放しのテレビから聞こえるのは、全蝉が鳴いた級の騒音。それを私は、「国営放送の暴力」と呼んでいた。

そんなものを放映して欲しくて、私は、受信料を払っているわけではない。明らかに暴力でしょうが。その暴力を受けないためには、見ない、というのが賢い選択だ。だから、私は見ない。

 

そんな私に、得意先の社長が、甲子園教の教祖の顔で言うのだ。社長、昼メシ、たこ焼き食いました? 歯に青のりがついてますけど。

 

「Mさん、日本人なら、いい加減慣れましょうよ。甲子園は、日本の伝統行事なんですから」

 

 

そんなこと言われたら、セミオトコの俺は、何も言えねえ!

 

 

ミーンミンミンミン  クソジジー!!!