10月18日午前中はタシケントにあるウズベキスタン商工会議所で現地企業人とのビジネスミーティングを行いました。商工会議所会頭のエイクラモフ・アドハム氏や投資部長のオレグ・リジチン氏から、ウズベキスタン経済の現況について解説していただき、商工会議所の会員企業20数社の代表と情報交換を行いました。予定時間を大幅にオーバーする熱のこもったセッションで、ウズベキスタン側の期待の大きさがひしひしと伝わってきました。ここでは会頭と投資部長の挨拶(抜粋)を紹介します。
(会頭)日本からようこそお越しいただきました。静岡は自然が豊かで日本の象徴である富士山があり、歴史も古いとうかがっています。皆さまサマルカンドに行かれたと思いますが、文化の町であると同時に経済的にも発展した町であり、静岡と似ているところがあると思います。
ミルジョーエフ大統領が2017年2月に発表した国家戦略では、経済の自由化を念頭に置いています。ウズベキスタンは3200万人の人口を持ち、人口の6割が30歳以下。労働人口は全体の70,4%で、GDPに占める中小企業の割合は58~60%。経済発展能力は十分にあります。2017年6月19日の大統領令では商工会議所に、政府と企業の懸け橋になるべく大幅な権限が与えられました。このタイミングで皆さまに来ていただけたのは非常によかったと思います。
日本は、ウズベキスタンが1991年に独立宣言したとき、それをいち早く認めてくれた国の一つです。以来、経済と文化両面で交流が進み、経済交流は4億ドルまで進展しました。業種では電力、エネルギー産業、観光産業、製造業等で経済協力が進んでおり、今回お越しいただいた静岡県企業の皆さまも同様の産業が多いと聞いて期待しております。
ウズベキスタンが独立してからこれまで、日本からは累計300~500億ドルの円借款を受け、発電所の建設や教育面で活用しております。観光産業では日本人のお客様を非常に歓迎しております。というのも、ウズベキスタンの歴史を日本に紹介した加藤九祚先生という素晴らしい研究者のおかげで、歴史や文化に関心を持つ日本人がとても多いからです。非常にありがたいと思っております。政府は観光省を新たに設置し、観光産業を発展させる権限を広く与えました。日本の旅行会社はじめ観光関連産業の進出を大いに歓迎します。
大統領は医薬医療分野にも力を入れており、この分野での企業進出を歓迎します。貿易関連ではウズベキスタンは今後、国際競争力のある製品をどんどん輸出していきますので、貿易関連企業ともぜひつながりを持ちたいと思っております。今回お越しいただいたメンバーには金融関係の方もいらっしゃるようですが、銀行とのお付き合いは非常に重要です。今日は当会議所会員で、海外企業との連携に関心の高いメンバーが集まりましたので、ぜひ有意義なミーティングをお願いできればと思っております。
(投資部長)中央アジアはエリア全体で約3億人の人口を有し、ウズベキスタンは地理的にも政治的にもその中心に位置しております。当商工会議所は2017年6月19日に組織改変され、スタッフが3倍に増え、ウズベキスタン最大の企業支援組織となりました。
ウズベキスタンの経済力について説明しますと、過去10年のGDPは7,9%の伸び。2017年2月に大統領が発表した5カ年の国家戦略では、2017年から2021年までに649の投資プロジェクト=総額40億ドルの事業計画を進める予定です。9月2日には外貨取引自由化が発令され、経済改革が進むトップクラスの国として世界銀行ほか国際機関から評価されています。これからは鉄鋼、エネルギー、自動車産業、農業、半導体等の分野をさらに発展させていきたいと考えています。
ウズベキスタンは天然資源が豊富で、光熱費もヨーロッパに比べて3分の1程度。経済特区が現在14あり、免税、無関税というメリットがあります。外国企業は5000社ほど進出しておりますが、経済の伸びしろを考えたら、まだまだ日本企業は少ないという印象です。ウズベキスタンにおける海外ブランドの半分に、日本企業のロゴが入ってほしいと願っているところです。
ウズベキスタンでは再生可能エネルギーに関して非常に関心を持っています。汚染物質の少ない天然ガスが豊富ですから、今後はガスバロン製造と関連部品製造、点検サービス業等の周辺産業も期待できます。化学産業ではウズベキスタン国内で製造し、海外に輸出するという外国企業も入ってきております。医薬品関連は経済特区の7地区で力を入れており、食品産業、建築業も期待されています。綿花は輸出額世界第5位の主要産業ですが、繊維産業も急激に発展し、海外から約400企業が進出しています。
観光産業の将来性についてはすでに実感されていると思いますので、お気づきの点があれば何なりとご指摘ください。教育分野では国内に66の大学があり、外国からも韓国、イギリス、イタリア、シンガポールの大学が進出して学術交流を行っています。ぜひ日本の大学の進出を期待しております。
帰国後、このミーティングの通訳を担当されたヌルマトヴ・ベグット氏から日本語で丁寧なお礼メールをいただきました。ベグット氏のメッセージを紹介させていただきます。