杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

フリーランサーの矜持

2010-10-07 09:38:09 | 吟醸王国しずおか

 『吟醸王国しずおか』の公式サイトでは、2007年に脚本制作にかかわった『朝鮮通信使~駿府発二十一世紀の使行録』の制作秘話をつづっています。昨日(6日)にUPした記事でとりあえずひと段落つけたところです。記事はこちら

 

 

 

 この連載では、行政と地元主要メディアで組織されたコンテンツ産業育成機関の初めてのオリジナル映像作品が、実際の制作現場はかなり付け焼刃的で、作品の内容に対する批評はもちろん製作過程の検証や費用対効果等もまったくされず、予算消化できればいい・・・ってな感じで終わってしまい、お世辞にも成功したプロジェクトとは言えない、と書きました。個人がエラそうに何さまだ・・・と、某組合の理事会みたいな罵声が飛んできそうですが(苦笑)、私のようなフリーランサーだからこそ見えてくる組織業務の問題点を、自己保身のために見て見ぬふりをするか否か、この記事をサイトにUPするまではかなり逡巡しました。某組合への問題提起もそうでした。

 

 

 

 吟醸王国のサイトでは、カメラマンの成岡正之さんが、同じように映像業界の問題点に対し、独立プロの立場からかなり思い切った指摘をされました。私と違い、会社を抱える身での発言は本当に重みがありました。成岡さんの記事はこちら

 

 個人が発言をし、行動を起こすときには、もちろんその後の影響に危機感を覚えないわけではありませんが、それまで培ってきた仕事に対する哲学みたいなものに誇りがあり、それをナァナァにされたら自分が自分でなくなる・・・という次元の違う危機感にも苛まれます。

 どっちの危機感を回避するか、自分の中でリスクマネジメントしながら、フリーランサーというのはつねに走り続けなければなりません。

 

 そんな面倒な奴とは関わりたくない、スルーするに限るという組織人間もいるでしょうが、フリーランサーと組む以上はそいつのスキルをうまく利用しなきゃソン、と思う人もいるはず。いや、いて欲しいです。

 

 

 

 まったく次元の違う話ですが、NHK大河ドラマ『龍馬伝』を観ていると、薩摩、長州、土佐という組織組や、長崎商人たちが、坂本龍馬というやっかいなフリーランサーとどう対峙するのか興味深いですね。

 

 

 静岡の行政組織、あるいは映像業界に、西郷や木戸や後藤のようなしたたか者がいたら面白いですね。龍馬のような逸材を発見したら、地域をよくする、業界を活性化させるという目的にかなう行動ならば、ガンガン使いこなしてほしいと思います。

 …大河ドラマ、龍馬暗殺の黒幕が薩長土な~んて筋書きだったら哀しいけど(苦笑)。

 

 


最新の画像もっと見る