今年3月から、20周年の記念行事を続けてきたしずおか地酒研究会。あっという間の年末です。20年前の12月には「年忘れお酒菜Party」と銘打って、新酒や熟成酒を集め、山田錦の玄米ごはんや地元農家のお母さんたちの手作りお惣菜を味わう忘年会を開催したことを懐かしく思い出します。
20年目の今年は、10月に杉井酒造で生酛造り体験をさせてもらいました。
12月5日に上槽、中旬に瓶詰されるこの酒に20周年記念酒ラベルを貼らせてもらい、好きな時間に誰でも自由に来てもらって気軽に試飲を楽しめるオープンパーティーを企画しました。お時間の許せる方はぜひ遊びにいらしてくださいませ!
しずおか地酒研究会 20周年記念歳末感謝祭
SAKE AFTERNOON PARTY
しずおか地酒研究会20周年歳末感謝祭として、地酒アフタヌーンパーティーを企画しました。10月に生酛造り体験をさせてもらった杉錦で20周年記念ラベル酒が完成。そのお披露目と、年末に出そろう各蔵の新酒を存分にテイスティングしていただきます。お気に入りのお酒はその場でお買い求めもできます!
場所は藤枝駅から徒歩10分のお洒落カフェ。テイスティングのお時間はたっぷり6時間設けましたので、お好きな時間にお立ち寄りください。スペシャルゲストのトーク、生演奏会、映像鑑賞も予定しています。
■日時 2016年12月23日(金・祝) 13時~19時
■会場 喫茶ラペ(藤枝市前島2-29-10-2 TEL 054-637-3511)
藤枝駅南口より徒歩10分、駐車場有。HPはこちらを。
■入場無料 どなたでもお気軽にお立ち寄りください!
○来場者全員にしずおか地酒研究会20周年記念酒 1杯サービス。
○県内蔵元の新酒&冬のおススメ酒の有料試飲できます。
○記念酒&お気に入りのお酒はその場でお買い求めできます。
○ラペ特製酒肴(有料)、こうのもの和ピクルス(有料)、巨大胚芽米カミアカリのおにぎり(有料)ご用意します。
○お車のかたにはラペ自慢のコーヒー&ソフトドリンク(有料)をどうぞ。
○静岡新聞社刊「杯が満ちるまで」(鈴木真弓著)、日本経済新聞社刊「ロジカルな田んぼ」(松下明弘著)サイン即売会します。
イベントプログラム タイムスケジュールは変更する場合があります
13時15分~13時45分 20周年記念酒&志太美酒20年を語る/杉井均乃介氏(「杉錦」蔵元杜氏)
13時45分~14時30分 コントラバス独奏会~酒造り唄を奏でる/土田 卓氏(コントラバス奏者)
15時30分~16時 映画「カンパイ!~世界が恋する日本酒」配給秘話&ミニシアター経営の面白さ/川口澄生氏(静岡シネギャラリー副支配人)
16時~16時30分 ドキュメンタリー「吟醸王国しずおか」パイロット版&フォト集「杯を満たすまで」鑑賞会
17時~17時30分 松下米の20年&カミアカリおにぎり試食会/松下明弘氏(稲作農家)
■協力 喫茶ラペ、エマギャラリー、ときわストア
■主催・問合 しずおか地酒研究会(鈴木真弓) mayusuzu1011@gmail.com
20年前、まだ「地産地消」という言葉もなかったころ、地域の酒や食の価値を理解してもらうために、まずは口コミリーダー的な人たちに丁寧に紹介することから始まった活動。案内は郵送やFAXで送らなければならない時代で、氏名・住所・勤務先の情報が必要だったため、やむをえず会員制を取ったのですが、今やネットを通じて気軽に幅広く情報発信できるようになり、会員と非会員を区分する必要もなくなりました。会長や役員や会則があるわけでもなく、言い出しっぺの自分が思い付きで企画するものを、そのとき手伝ってくれそうな人に声をかけ、参加していただけた人とご縁をつなぐ・・・そんな緩~くニュートラルな体裁をとってきました。20周年の歳末感謝祭も、その日に時間が許せる方と、ゆるゆる楽しめたらなあと考えています。
20周年記念酒が完成するタイミングを考えたら、この日しかないという12月23日。たぶん多くの皆さんがクリスマス行事や忘年会の予定がおありだと思います。会場をお願いした喫茶ラペさんも、本来ならば稼ぎ時で、オーナーさんからしたら内心はた迷惑な話だったと思いますが、私自身、以前からこのカフェのシンプルかつ清潔な雰囲気が好きで、駅から徒歩圏内ということもあり、ここで酒の会が開けたらなあと憧れ、無理なお願いを聞き入れていただきました。
オーナーさんも、やるからには店として恥ずかしくないものをお出しし、お客様に喜んでいただきたいと、特別メニュー&スタッフを用意してくださることに。記念酒の試飲や販売、トークセッション、『吟醸王国しずおか』パイロット版上映など自分が勝手に思い付いたプログラムを、ラペさん&多くの会員&ゲストが利益度外視で協力してくださり、実現の運びとなりました。感謝の言葉もありません。本当にありがとうございます。
思えば20年間の活動も、シンプルに、地元で顔が見える距離にいるんだから「造り手・売り手・飲み手の和」を広げていこうと、さまざまなきっかけづくりを愚直にカタチにしただけのこと。酒との出合いに資格や条件は必要なく、知識や情報も押し付けられるものではなく、呑み手には、ほんの少しの好奇心と、きっかけ&タイミングが合えばいいんだと信じ続けてきました。反面、造り手や売り手の業界事情がよく見えず、周囲の人を散々振り回し、ご迷惑をおかけしたことも多かったと思います。
年齢を重ね「足るを知る」ことを学び、自分の身の丈に合ったもので持続可能な活動を・・・と願いつつ、「こういうことをやったらみんな喜んでくれるだろうなあ」と欲張って、ついつい無理をしてしまいます。
20年前、身の丈以上・分不相応の背伸びをして会を作ったとき、支えてくださった栗田さんは亡くなり、河村先生は第一線を退かれ、造り手や売り手も世代交代が進み、発足当時を知る先達や仲間は少なくなってしまいました。そんな中、今年の20周年の活動は新旧の酒縁者が、目的はさまざまでも一致協力してくれました。あらためて、地酒には地域の人をつなげ、まとめ、動かす力があるんだなあとしみじみありがたく思います。
この先、今までのように個人の思い付きで周囲を振り回す活動が続けられるとは思えず、20年で一区切りかな、とも思っていますが、ある読者から『杯が満ちるまで』の巻末に書いたこの一節にとても共感した、という感想をいただき、自分でこう書いた以上、何かしら続けていかねば、とも思っています。
蔵元と杜氏が足並みをそろえ、静岡らしい酒質の向上に汗を流すー30余年前に吟醸王国建設に臨んだ先達の「いろは」を、彼らはしっかり受け継いでいる。時代を共有する我らも、次の世代の呑み手に静岡の酒の味をしっかり伝えていかねば、と思う。
とりあえずは20周年アニバーサリーの総括となる12月23日。どうぞよろしくお願いします!