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歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

嬉しくもあり、嬉しくもなし

2010-01-11 22:50:21 | Weblog
2010年が動き出している。
2009年においてきたものもある。
思い出の中に綴じこんでおくことにした。
振り返るまい・・・、そう決めた。


ナースコールが鳴っている。
「ワ、またか。イヤだな。」
ツイこう感じてしまうのは「物盗られ妄想」。

1週間の間に、2回はある。
この1年で増えたなあ・・・。

居室は鍵を閉め、留守の間は誰も入れない。
いや、誰も入らない。

入居半年から「物盗られ」が出現して、
不確定な相手から、固定スタッフへ転化し、
出入りするスタッフ全員を信用していないような言動に変化してきた。

だんだん回数が増え、こちらのストレスも高くなる。


1年前は百人一首の読み手がまあまあ出来ていた方が、
今年は、つまづく事が多くなっていた。


携帯の写メールまでできていた方も、
写真の撮り方がわからなくなった・・・。
トイレが間に合わなくて、紙パンツにしたと嘆かれた。


生年月日は言えていた方が、わからなくなった。

年がだんだん若返る。
去年は50歳、今年は32歳。
赤ちゃんはどこへ行ったというはずだなあ・・・。


失敗しながらもトイレに行っていた方が、
全くトイレと縁が切れてしまった。


長年机に向かっていた方が、何の意欲もなくなった。
「自分でもどうしたのか判らない」と。

「お父さんみたい」というと、
「私からすると、アンタはお姉さんみたい」と笑う。
あれせい、これせいという喧しいお姉さんか。マ、いいわ。(笑い)
お母さんという入居者もいる。


1年前は1人で入浴していた人が、恐くて介助浴しか入れなくなった。
今では1人で足が上げられない。

誰かを頼りにしないといけない方もいる。
依存心がこんなに強いとは、親族は気づいていない。
「占いに言われたの。自分から求めていかないとダメだって。」
赤の他人のアドバイスが助けになる方もいる。


数少ないがレベルアップもある。
しかし、
殆どが施設内の生活にならざるを得なくなるだろう。


わが母も、12月には3回転んだ。
幸い怪我はしていない。上手な転び方。
少し弱ったな、と感じた。