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McGill University

2012-06-13 11:45:35 | モントリオールあれこれ


   

   

  
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“戦後”から “震災後”へ

2012-06-13 11:35:25 | 報道/ニュース


  5月27日 サンデーモーニング


  新しい東京のシンボルとなった東京スカイツリー。
  来年1月には東京タワーに代わり地上デジタル放送の配信を始める。
  東京タワーから東京スカイツリーへ。
  それはひとつの時代の変わり目を象徴しているかもしれない。

  1958年 新しいテレビ時代の到来を見据えて建てられた東京タワー。
  当時の日本は敗戦から立ち直り高度経済成長が始まる頃だった。
  ひとつの時代の象徴だった東京タワー。
  しかし今はからずも戦後日本を支えた多くのものがその変わり目
  世代交代の時期を迎えている。
  オリンピックをにらみ1959年に
  首都東京の道路網を整備するため建設が始まった首都高速道路。
  しかし ひびわれなどで補修が必要な箇所97,000件にのぼるなど
  抜本的な改修や立て替えの議論が始まっている。
  70年代に都内の深刻な住宅難を解消しようと入居が始まった多摩ニュータウンや
  東洋一のマンモス団地とうたわれた高島平団地。
  かつて活気に満ち溢れたこれらの集合住宅も
  近年は建物の老朽化とともに住民が高齢化。
  こうした状況にここ数年 再生計画が立てられ
  今年に入って一部の建て替えが本格化している。
  道路や団地だけではない。
  一般的にコンクリートの耐用年数は約50年。
  都心部のオフィスビルから下水道まで
  高度経済成長を支えたインフラが世代交代や建て替えを余儀なくされている。
  
  東京都市大学 涌井雅之教授
  「産業優先社会としての東京にふさわしい
   社会資本の投資をずっとやってきた。
   そのことで確かに日本は高度経済成長を達成することも出来た。
   しかし そういう量的拡大を前提にした時代は終わった。」

  こうしたインフラに支えられた社会もまた変化のときを迎えている。
  実際 高度経済成長を支えた段階の世代が次々退職。
  日本経済を支えた人が徐々に第一線を退く一方
  終身雇用制度といった雇用形態も崩れつつある。

  かつて圧倒的に世界シェアを誇ったものづくりの分野でも
  新興国の後塵を拝する事態に。
  1960年代に始まった国民年金制度は
  少子高齢化などによって制度自体が大きく揺らいでいる。
  また国の借金が増え財政が行き詰まりを見せるなか
  公共事業で地方経済を潤す手法も曲がり角である。
  政治も政権交代の期待が裏切られ
  既成の大政党への失望感が広がっている。

  戦後の成長を優先してきた日本社会に迫られる変化。
  さらにそれを決定的にしたのが今回の震災だった。

  涌井教授
  「生活を破壊し命を奪った。
   その重さを考えてみたときに今までの延長線上でいいのか。
   豊かさを追い求める社会ではなく
   豊かさを深める社会に来ているのではないか。
   歴史的な転換点と捉えきれるかどうかが問われている。」

  大震災と原発事故によって揺らぐ日本社会。
  そのなかに
  時代の変化を予感させる東京スカイツリーが登場したのである。
  
  


  
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