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寒い季節も“上を向いて歩こう”

2020-11-22 07:03:08 | 編集手帳

10月29日 読売新聞「編集手帳」


永六輔さんが作詞をした『上を向いて歩こう』には、
「一人ぼっち」の夜か、
「一人ぽっち」かで長い議論があるという。
ネットの歌詞検索サービスでは「ぽっち」と出てくる。
恐らくこれが原詞だろう。

ならばなぜ議論になるのか。
ふしぎに思っていたところ、
永さんの著書にこんな記述を見かけた。
坂本九さんの歌声がこう聞こえたという。
<ヒトホリ ボホッチヒノォ ヨホルフ(一人ぼっちの夜)>
(『坂本九ものがたり』)◆永さんは広い心で歌声を縛る気がなかったのかもしれない。『上を向いて歩こう』は来年7月21日、
発表の日から数えて還暦を迎える。

延期された東京五輪の日程を眺めていたとき、
初日がその日にあたることに気づいた。
開会式(23日)を前にソフトボールとサッカーで幕が開く。
コロナ禍で輝きがかすんでいるが、
無理なく開催できれば、
それはそれで多くの人が踏ん張って歩いた証しにはなろう。
♪思い出す 春の日 夏の日 秋の日と。
立冬(11月7日)が近づく。
ふしぎなことにこの歌の詞には冬がない。
寒い季節も何とか上を向いて歩き、
新たな一編を加えられたなら。

 

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