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タイのエビ養殖 AIで生産性アップ

2021-07-03 23:11:14 | 報道/ニュース

2021年6月10日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


タイ料理の代表的なものといえば
エビを使ったトムヤンクン
カニを使ったカレーなどがある。
ところが魚介量の出荷量は近年全体的に減少傾向になっている。
エビの出荷量は10年間で大きく落ち込んだままである。
その背景には
乱獲に加えて気候変動が指摘されているほか
養殖で病気が流行したことなどがある。
どうやって生産量を回復させながら持続可能な漁業を実現させるのか。

水揚げされたのは養殖で育てられたエビ。
タイでは大半のエビが養殖で生産されている。
しかし出荷前に死んでしまうエビも少なくない。
課題の1つがエビを数える作業。
ふ化したばかりの稚エビを成長に応じて大きな水槽や池に移すが
その際
適切なエサの量や水槽の広さを計算するために数を数えている。
スプーンでバケツからすくい上げ1回1回 目で確認しているので
1,000匹数えるのに30分ほどかかってしまう。
そのためエビに負担がかかり
作業後5%ほどが死んでしまうことがあるという。
(エビ養殖業 経営者)
「バケツの中で弱るので
 酸素を送り続ける必要があります。」
タイのエビの生産量は病気の流行などが影響し
10年で約20%減少。
月に約2,000万匹出荷する養殖業者でも
生産性をどう上げるのか課題となっている。
そこで去年導入されたのが計測器である。
集めたエビを容器の中に入れてボタンを押せば20秒ほどで数え終わる。
タイのスタートアップ企業が
カメラとAI(人工知能)を組み合わせた装置を作り
エビの数をすばやく計測できるようにした。
死んでしまうエビが減るだけでなく
エビの状態を画像で確認できるため
病気にかかっていないかチェックもできるという。
(エビ養殖業 経営者)
「技術で養殖を管理すれば
 持続性は高まります。」
一方水産加工の分野では別の試みも行われている。
首都バンコクにあるレストラン。
タイで今年初めて発売された代替カニ肉。
原料は大豆や小麦由来のタンパク質など。
レストランのほかスーパーなどでも家庭向けに販売され
菜食主義以外の人からも好評だという。
(レストランのオーナー)
「需要は高いと思います。
 植物由来のものが健康や環境に良いと多くの人が気づいています。」
開発したのは
年間約4,500億円を売り上げている世界有数の水産加工会社。
消費者の環境や健康意識の高まりを受け
新たな収益源になるとみて
カニの食感や味に似る配合を2年以上かけて研究した。
代替カニ肉の生産によって漁船の燃料が減ることなどから
二酸化炭素の排出は
本物のカニ肉と比べ1Kgあたり最大89%の削減が可能だとした。
年間で約2,300トン削減できると試算している。
今後は代替エビや代替イカの販売も視野に入れているという。
(大手水産加工会社 ̠カセンスワさん)
「代替魚介類の開発で
 環境に大きい影響を与えられます。
 漁業の持続可能性をもっと高めていけると思います。」

 

 

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