10月25日 NHK「これでわかった!世界のいま」
10月15日のホノルルの空港は人が大勢だった。
アメリカ国内からの訪問の場合は
事前のウィルス検査で陰性なら自主隔離の必要がなくなった。
今ハワイでは外出するときにはマスクを着けることが義務付けられている。
違反すると日本円で50万円以下の罰金を課せられる。
感染に対する警戒は続いているが
午後11時半の大通りには人の姿も見られるし車の通行量もある。
ただホテルは営業を再開できていないところもある。
営業していても宿泊客がいて明かりがついている部屋はまばらである。
一時的に立ち入りが規制されたワイキキビーチは
日中は人手が少しずつ戻っている。
(アメリカ国内からの観光客)
「ハワイに来られて最高。」
「パンデミックで何度も延期した。
ハワイはやっぱりきれい。
おすすめだ。」
大通りにはまだ閉まったままの店も多くある。
今のハワイの様子は40年前
観光客が急激に増える前の昔のハワイのようだという声もある。
観光に頼ってきた地元の経済のダメージは深刻である。
ハワイでは多くの人が仕事を失った。
最近街なかでもホームレスの人たちの姿が目立つ。
ただ地元の人々は
観光客が来なくなったこの半年間
ハワイについて見つめなおすための貴重な時間にもなった。
去年1年間で1,000万人が訪れにぎわったハワイ。
しかし感染拡大後は1日当たりの訪問者が約2,000人と1割以下にまで落ち込んだ。
失業率は一時22%にまで悪化。
アメリカの他の州より深刻な状況が続いている。
(ハワイ州観光局)
「前代未聞の出来事。
私たちはパンデミックをきっかけに
ハワイが極端に観光に依存してることを学んだ。」
観光客のいない静かなハワイで
地元の人々はあらためて島の独自性に目を向け始めた。
今年ホノルルに開店した雑貨店。
地元アーティストの芸術作品や小規模の農家が手がけた品などを販売している。
オーガニックのハチミツやチョコレートはアメリカ国内でのオンライン販売が好調だという。
ハワイらしさをより打ち出す戦略に
店は手ごたえを感じているという。
(店のマネージャー)
「ハワイは太平洋の真ん中にある小さな島。
だからといって語るべきことがないわけではない。
私たちの文化 製品を通じて
外の人に魅力を伝えることができる。」
ニコルスさん。
感染拡大の影響で職を失った。
地元の中小企業で再就職に向けた研修を受けている。
新しい仕事はハワイの文化を紹介する映像作品の制作。
旅行会社やホテルなどで働く人の研修教材として使われる。
この日はハワイで長い間継承されているタトゥーを撮影した。
伝統文化の発信に携わることにやりがいを感じている。
(ニコルスさん)
「仕事を通じてハワイの文化を調べたことで
知らなかったたくさんのことを学んだ。
この仕事に出会えて幸運だった。」