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輝く「ONE TEAM」

2020-01-01 06:01:20 | 編集手帳

12月3日 読売新聞「編集手帳」

 

異常な犯罪者の心理を巧みに読む若き刑事カーソン・ライダーの活躍を描くシリーズ(ジャック・カーリー作)はミステリーファンを引きつける。
日本でも文春文庫から7巻が発売されている。

米南部の人種的偏見の強い街が舞台だが、
カーソンが浜辺の家で飼う大きな犬の名前がメッセージ性に富む。
その名も「ミックスアップ」。
あらゆるパーツが異なる犬種のものに見えるからという。
頭が良く、
ときに飼い主の危機を救う活躍をする。

今年の秋、
ラグビー日本代表の試合に感激しながら、
愛らしくたくましい大型犬の名前が何度か浮かんだ。

新語・流行語大賞が発表され、
年間の大賞に代表のスローガンとなった「ONE TEAM」が選ばれた。
世界の様々な国からチームに加わった人たちが、
桜のユニホームを着て決勝トーナメント進出という快挙を成し遂げた。
スポーツの中だけのこととはいえ、
世界で起きている国境や民族の壁を挟んでの争いごとに比べれば、
輝きにしか見えない光景だろう。

ワールドカップの間、
日韓関係はがたがたしていた。
特にお礼を言いたい笑顔の愛らしかった選手もいる。



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