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日仏建築交流の象徴 ル・コルビュジェ設計の船 引き揚げ

2020-11-11 07:00:00 | 報道/ニュース

10月20日 NHK「おはよう日本」


東京上野の国立西洋美術館。
世界文化遺産に登録された建物で
設計したのはフランスを代表する近代建築の巨匠 ル・コルビュジェ。
数多くの作品があるなかコルビュジェがただひとつ手がけた船が
パリのセーヌ川に2年半浸水したまま放置されていた。
10月19日 船の引き揚げ作業が行われた。

セーヌ川のほとりにある1隻の船。
船内は柱が並んだ広い空間に水平に連続した窓。
約90年前 ル・コルビュジェが改修に携わったもので
自ら提唱した近代建築の要素がふんだんに盛り込まれている。
第一次世界大戦中 石炭の輸送に使われたのち改修され難民などの避難所として使われた。
実はその設計にはある日本人建築家も関わっていた。
当時 ル・コルビュジェのもとで学んでいた前川國男である。
図面の作成から完成まで携わり
帰国後 日本の近代建築の礎を築いた。
老朽化のため再利用の計画が進んでいたが
一昨年セーヌ川の増水により船体の半分が浸水してしまった。
再生計画の中心を担ってきた建築家の遠藤秀平さん。
14年前から現地の建築家らと協力してきた。
この船が日本とフランスの建築を通した交流の始まりの象徴ととらえているからである。
(遠藤秀平さん)
「前川國男がモダニズムの設計に直接関わり
 そして完成したということが非常に重要。
 日本人の現代建築家にとっても浮かぶ建築は原点。
 後世に残すことが重要。」
浸水は船内などの修復がほぼ終わった矢先のことで
計画は頓挫してしまった。
これを受けて今年8月
日本の建築家で作る学会がこの船を買い取って再生させることが決定。
19日には水抜き作業が行われた。
約3時間の排水作業で船体は浮上。
新型コロナウィルスの再流行のため遠藤さんは引き上げに立ち会えなかったが
現地からの映像を見て
船の構造に問題がないことを確認できた。
(遠藤秀平さん)
「柱にダメージがないことが見てわかる。
 それがいちばんよかった。」
遠藤さんは
予期せぬ増水や新型コロナなどの影響も乗り越えて
この船の復旧を進めていきたいと考えている。
(遠藤秀平さん)
「2年半たって浮上した。
 本当にうれしい。
 汚れているが骨格はしっかりしている。
 100年たっているが大丈夫だと思う。
 これをしっかり修繕したい。」

遠藤さんはこの船の内部を当時の姿に修復して
船上ギャラリーとして活用し
日本とフランスの建築文化の懸け橋にしたいと考えているという。


 


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