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アメリカ バブル懸念も 金融政策の行方 

2014-10-13 07:31:40 | 報道/ニュース

9月30日 キャッチ!


アメリカの首都ワシントンではあちこちでビルの建設が進んでいる。
少しでも有利な投資先を求めて大量のお金が不動産市場に流れ込んできているからである。
連邦政府や国際機関が集中するワシントンは手堅いオフィスビルの需要があり安全確実な投資先として注目されている。
ワシントンの不動産業者 トーマス・ガローラさん。
商業ビルの取引が専門である。
FRBの金融緩和が長期化するなか最近 気になる取引が少しずつ増えていると言う。
大規模な改築工事を終え売りに出されたビル。
ガローラさんは240億円ほどが適正価格とみていたが投資会社が2割以上高い300億円で買い取った。
ワシントンでは今こうした高値での取引が増えていると言う。
(ガローラさん)
「これはバブルのサイン。
 金融危機の前と同じです。
 この状況がずっと続くとは思えません。」
ニューヨーク株式市場のダウ平均株価はFRBの緩和マネーに支えられて
金融危機前の高値を約20%上回る17,000ドル前後の最高値の水準に高騰している。
信用の低い企業に対するローンや所得の低い人に対する自動車ローンなど
一部の金融取引に大量の資金が流れ込みリスク管理は大丈夫かという指摘も出た。
日本に比べはるかに株式取引が盛んなアメリカ。
個人の投資家に取引のノウハウを教える専門学校が全米各地に展開している。
デイトレーダーを目指す人
老後資金を運用する退職者
集まる人たちは様々だが受講の理由が最近変わってきていると言う。
(受講生)
「最高値更新というときには少し注意しなければ。」
「毎日ラジオでは株はいずれ暴落すると言っています。」
株価の暴落にどう備えるべきかを考え始めている。
(専門学校講師 イッサ・ウィリアムズさん)
「株式市場は過熱気味です。
 受講生もそれを感じ対応策を知りたがっています。」

FRBのイエレン議長はバブルとまではいっていないが警戒感を示している。
ソーシャルメディアやバイオ関連の株が割高になっていると異例の指摘をして
バブルの芽を摘もうというような動きも見せている。
金融緩和の副作用を意識して
ERBはまず10月下旬の金融政策を決める会合で量的緩和の終了を決定する予定である。
そしてゼロ金利政策を来年中に解除し利上げに踏み切る方針である。
リーマンショック以来続けてきたこのゼロ金利の解除がいつなのか
いまの市場の最大の関心事になっている。
FRBが利上げの決断にあたって最も重視するのが雇用の回復である。

アメリカ西部 ワイオミング州のジャクソン。
イエローストーン国立公園の玄関口である。
景気の回復で町を訪れる観光客が増え地域経済にも恩恵をもたらしている。
景気の回復に自信を深めた地元のスーパーはこの夏 町に新しい店をオープン。
60人を新たに雇った。
地域にとっては大きな雇用である。
(スーパー販売部長 エリカ・ライスさん)
「店を広げ地元の雇用を生み出すことができて良かったです。」
アメリカ全体を見渡してみわたしても企業は採用に前向きになりつつある。
最新の求人数は467万人。
13年ぶりの高い水準に回復した。
失業率も6、1%に下がり6年前のリーマンショックのころの水準にまで回復している。
しかし雇用の中身を詳しく見ると実態は違って見える。
首都ワシントン近郊のホテルで開かれた就職相談会。
正社員の仕事を必死に探す人たちが目立つ。
2年前に大学を卒業したが仕事が見つからず保育園でパート勤務をしている女性。
(ブリタニー・ミクシュさん)
「1日4時間のパートでは生活できません。
 求人の多くは経験者向けで仕事を見つけることができません。」
正社員になれずやむを得ずパートで働いている人はまだ700万人以上いる。
リーマンショック前をはるかに上回ったままなのが実態である。
FRBのイエレン議長も雇用については慎重な見方を続けている。
「景気回復もまだ道半ばです。
 正社員の仕事が見つからずパートで働く人があまりに多い。」

IMF国際通貨基金などはFRBの金融政策の転換が世界経済のリスクの一つになり得るとして
新興国にも備えを呼びかけている。
FRBもこうしたマイナスの影響を意識して
イエレン議長らが少しずつ情報を発信して地ならしを進めているが手探りの状態である。
(カーネギー国際平和財団 ダドゥーシュ上級研究員)
「いまイエレン議長に求められるのは前例のない対応です。
 確かな計画と市場への配慮も大事ですが安全な“ゼロ金利解除”には運が必要です。
 欧州と日本の景気改善があればFRBの対応も楽になるはずです。」
消費税率引き上げ後の反動でもたつく日本や
デフレ懸念に停滞するヨーロッパが力強く世界経済を引っ張ってくれればFRBも利上げを進めやすくなるというわけである。
FRBは今後も海外経済の動向や雇用の回復、
バブルの懸念などあらゆる要素をにらみながら利上げに向かっていかなければならない。
FRBが利上げが近いというメッセージをいつ発信するか
世界の市場関係者が身構えている。



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