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米で注目!新たな資金調達方法 

2014-08-29 07:15:00 | 報道/ニュース

8月21日 キャッチ!


Croudo Funding クラウドファンディング
今年5月に日本でも成長戦略の一環として導入された。
アメリカで今最も注目されている資金調達の方法である。
主にインターネットを使って個人などに広くお金の提供を呼びかけて資金を集めることを言う。
今ではウェブサイトが次々と立ち上がり
この5年ほどで大きく成長している。
去年クラウドファンディングの調達累計は世界で5,000育円にのぼる。

7月 クラウドファンディングの大手キックスターターがニューヨークで主催した交流イベント。
クラウドファンディングで資金調達に成功したミュージシャンの演奏などを見るため数千人が集まった。
参加者の多くは実際に資金を出した人たちである。
(参加者)
「新たな挑戦を支援することは楽しいわ。」
「これからはベンチャー企業にも投資しようと思います。」
こうした資金によって事業を拡大さえた人も会場に居合わせた。
ブラジルの食材を使った健康に良いジュースを販売している女性は
クラウドファンディングによって1か月で約100人から500万円以上が集まったと言う。 
(飲料販売事業者)
「小さな会社は資金集めが難しくクラウドファンディングには助けられた。」
コネチカット州に住む個人投資家 ティム・ジョンストンさん。
ティムさんはクラウドファンディングで120以上の事業に投資してきた。
投資金額は約1,500ドル(15万円余)。
1ドルからでも投資できリスクを分散できるのがクラウドファンディングの特徴である。
最大の魅力は投資の見返りとして手に入れられる商品。
(ティムさん)
「新しいスマートウォッチです。」
この腕時計はティムさんたちのお金を元に商品化が実現し出資者に贈られてきたものである。
(個人投資家 ティムさん)
「クラウドファンディングへの投資で新商品を生み出す人と知り合えて
 彼らを支援できるのは喜びです。」
出資を受ける側も銀行との取引よりもクラウドファンディングの方に魅力を感じている。
ワインショップ経営者 クリス・ズカウスキーさんは
今年春に事業を拡大するときに銀行ではなくクラウドファンディングから融資を受けた。
資金調達の手軽さに驚いたためである。
パソコン画面に個人情報と希望する融資額を入力。
そして借入期間を入れる。
するとひと月当たりの返済額が瞬時に示される。
日本円にして約1000万円余の融資を申し込んだクリスさんは
利息は10%余と銀行よりは割高だがすぐに利用することを決めた。
(ワインショップ経営者 クリスさん)
「銀行ならこう簡単には行きませんよ。
 提出する書類はとても複雑で審査に長い時間がかかります。」
クラウドファンディングが普及する背景にはアメリカのFRB連邦準備制度理事会の政策もある。
長期化する金融緩和でアメリカの長期金利は2%前半にまで低下。
資金を運用して稼ぐ投資家にとっては金利で収入を上げることが難しくなっているからである。
クラウドファンディングはそうした投資家の受け皿にもなっている。
クリスさんのワインショップへの融資を仲介をした企業は今急成長を遂げている。
従業員は16人だが融資累計は約540億円にのぼる。
(従業員)
「貸しても借りても増えて順調に成長していますよ。」
この会社を通じて個人や中小企業に融資すれば約10%~21%の利息が収入になる。
このためプロの投資家からの融資も急速に増えていると言う。
(ファンディング・サークル サム・ホッジス創業者)
「高い利回りを求める投資家と資金が必要な中小企業を仲介します。
 ITや優秀な人材にさらに投資をして来年は事業を2,3倍に拡大したいです。」

資金調達の新たな可能性を感じさせてくれるものだが
急成長に伴って詐欺などの被害が広がるのではないかという懸念も関係者から指摘されている。
(企業セミナー主催 A・フェルドマンさん)
「再開の課題は詐欺です。
 投資家は常に金の持ち逃げに不安を抱いています。
 資金がどう使われているのか透明性を高めることが重要です。」
明らかな詐欺行為はまだほとんど報告されていないが詐欺に近いグレーゾーンが数多くある。
ある商品を開発するためにお金を集めたものの
実際には商品化するためにもっと資金が必要だったことがわかり約束した商品を渡せなかったと言う事例がある。
これについては怒った投資家がその企業を脅迫したことも話題になった。
このため資金がどのように使われているかを公開して丁寧に説明するなど透明性を高めることが必要である。
クラウドファンディングで融資を受けている人は銀行に融資を渋られている人も多く
景気が良い今は返済できても金融危機のようなことが再び起きれば融資の焦げ付きが増える恐れがある。
サブプライムローンと同じような危うさがあることは否定できない。
現状では規制はなくどの政府機関が所管するかさえ決まっていない。
中には貸し付けに50%以上に利息を取っている企業もあり 
何らかの規制を設けるべきだという議論はアメリカで出てきている。
ただクラウドファンディングの市場はまだ5,000億円程度で金融市場全体から見ればごく一部に過ぎない。
新たに起業する人の役に立っていることは間違いないので
ビジネスチャンスをつぶさないためにも行き過ぎた規制をするべきではないという意見も出ている。
融資をするタイプのクラウドファンディングの最大手の企業は年内に上場するという観測も出ている。
世界銀行は去年 クラウドファンディングの市場が2025年には今の20倍の9兆円規模にまで拡大するという見通しを出している。
ただアメリカを含めこうした動きに対するルール作りは追いついていない。
大きな可能性を秘めているだけに無理な貸し付けなどにつながらないよう 
アメリカ当局の今後の動きに注目したい。

 


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