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“花嫁衣裳の鬼才” イスラエルの着物に挑む

2020-03-10 07:00:00 | 報道/ニュース

2月18日 NHK「おはよう日本」


東京五輪パラリンピックに向けて
参加する200超の国や地域をイメージして作られた着物。
このうちイスラエルの着物を手掛けたのは
“花嫁衣裳の鬼才”と呼ばれる京都の友禅作家である。
着物づくりは1年にわたった。

京都在住の友禅作家
秋山章さん(88)。
70年にわたって婚礼衣装を作り続け
業界をけん引してきた。
作品はすべて手で描かれ
1枚1枚が豪華絢爛な絵画のようである。
最大の特徴は金箔。
そして貝がらを切り取って装飾した「貝らでん」という技法である。
制作期間は長いもので3年以上。
1着1千万円以上するものもある。
(友禅作家 秋山章さん)
「流行 はやりすたりではなく
 根本的な美しさ。
 根本的な美をしっかりとらえて
 自信を持ってお薦めできる美しさを作っていきたい。」
2018年11月
東京オリンピックに向けて
世界各国の着物を作っている着物プロジェクトの代表
高倉慶応さんがアトリエを訪ねてきた。
高倉さんが依頼したのはイスラエルの着物。
制作費を払うスポンサーが秋山さんを指名したのがきっかけだった。
(友禅作家 秋山章さん)
「婚礼衣装以外は私は作ったことがないが
 今回は大変興味がわきました。」
依頼を受けてから1か月余の2019年1月。
さまざまな資料を読み込んだ末デザイン画を描き始めた。
中央に据えたのがイスラエルの国鳥ヤツガシラ。
そのまわりにはイスラエルの春を彩るアネモネの花やオリーブを添えた。
すべての工程の中でデザインが最も難しいという。
(友禅作家 秋山章さん)
「何回も足したり消したりするのでくしゃくやになる。
 一晩寝て起きると
 あそこがだめだった
 ここがだめだったということになる。
 苦しんでのたうち回って作る。
 だけどそういうところを見せたくない。」
2019年4月
デザイン画が仕上がるといよいよ着物の制作が始まる。
秋山さんの傘下にいる職人たちが下絵を描いてデザインを染めていく。
完璧な仕上がりを実現するために何度も描きなおすという。
2019年8月
もっともこだわるのが秋山さんの作品を特徴づける金細工である。
ヤツガシラは金粉を使って輝かせる。
秋山さんが独自に開発した特殊な技術である。
アネモネの花には薄い金箔を貼って上からたたく。
掃除機で金箔を吸い取ると
花の輪郭の部分に金が残り
立体感を出している。
(金箔職人 三宅さん)
「金箔をたたくのが強すぎたら変色する。
 弱すぎたら接着しない。
 その辺は加減だ。
 生かすも殺すもここだと思う。」
2019年9月
イスラエルの着物が完成した。
黄金のヤツガシラが青い空を羽ばたいている。
アネモネには美しい貝がはめ込まれ宝石のように輝いている。
秋山章さんが何度も試作を繰り返してようやくたどり着いた
懇親の作品である。
(友禅作家 秋山章さん)
「一番最初に想定して作ったそのものが
 そのままあがってきました。
 私にはこれ以上の物が作れない。」
イスラエルから来た留学生が着物をまとってくれた。
華やかな中に品格を感じさせる振り袖姿である。
(イスラエル人留学生  シャピラジールさん)
「光栄です。
 言葉が出ないほど。」
花嫁衣裳の鬼才 秋山章さん。
新たな着物の世界を作り上げた。

各国をイメージした着物は
全国200もの着物作家や工房などが手掛けていて
作品は着物を作るプロジェクトのホームページで見ることができる。
  https://piow.jp/

 


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