日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

脱ロシア依存へ 欧州エネルギー政策の行方

2014-06-03 07:15:00 | 報道/ニュース
5月27日 キャッチ!


ヨーロッパ各国が輸入する天然ガスの約30%はロシアからで
またそのうちの60%はウクライナ経由である。
ロシア産天然ガスの依存度は
 バルト3国、フィンランドは100%
 ウクライナは70%以上
 旧東欧諸国は60%以上
 ドイツは37%
 イタリアは29%
EU全体では24%がロシア産の天然ガスに依存している。
ロシアからはいくつかの天然ガスのパイプラインが延びているが
そのうちの1本ソユーズはウクライナからスロバキアを経由してドイツ、イタリアへ延びている。
ヨーロッパ各国にとってウクライナが重要な中継点となっているが
ここ数か月間のロシアとの摩擦が原因で
ロシアからウクライナへ向けた天然ガスの供給が停止されるかもしれないという状況。
この事態を深刻に受け止めているヨーロッパではすでに新たな動きが出始めている。

5月にローマで開かれたG7=先進7か国エネルギー担当相会合。
ウクライナ情勢の緊張が続くなかロシアへのエネルギーの依存をいかに減らすかが最大の焦点となった。
会合ではヨーロッパのエネルギーの調達を多様化させることに各国が協調することで一致した。
(イギリス デービー エネルギー気候変動相)
「我々は数か月間もの時間をかけ協力していくことを確認した。
 ヨーロッパのロシアへの依存を減らしながら
 ロシアの“エネルギーという武装”を解除させなければならない。」
天然ガスの4分の1をロシアから輸入しているイタリアは再生可能エネルギーの拡大を目指している。
イタリアの再生可能エネルギーによる発電量は全体の30%。
しかし風力や太陽光は天候に左右され電力供給が不安定になるという課題を抱えていた。
そこで導入したのが電気を一定時間貯めることができる蓄電池である。
イタリアの電力大手が日本企業との提携で蓄電池による電力の安定化に乗り出した。
これにより再生可能エネルギーのさらなる普及を目指している。
(イタリア電力会社 ネットワーク開発担当者)
「電力供給の安定には蓄電池が必要です。
 私たちが期待するのは装置のコストを下げイタリア全土に広げることです。」
しかし再生可能エネルギーにはもう一つ大きな課題がある。
ほかのエネルギーに比べコストが割高になる。
このためヨーロッパでは多くの国で電力価格が上昇。
シェール革命に沸くアメリカの2倍以上になっている。
オーストリア最大手の鉄鋼メーカーは
新たな工場をヨーロッパではなくアメリカのテキサス州に建設することを決めた。
東夷額は約780億円。
現地雇用150人の計画である。
建設地にアメリカを選んだ最大の理由はエネルギーを安定的に割安な価格で調達できることである。
(オーストリア鉄鋼メーカー エーダーCEO)
「天然ガスは工場の操業に欠かせません。
 アメリカの天然ガスの価格はヨーロッパのたった30%で
 電気代はヨーロッパの約75%です。」
こうした海外移転の動きはウクライナ情勢の緊迫化で加速することが懸念されている。
ロシアからの天然ガスの価格がさらに上昇するのではないかと企業の間で不安が広がっている。
イギリス政府が推し進めようとしているのがシェールガスの開発である。
イギリスには国内の天然ガスの消費量の10年分に相当するシェールガスがあるとみられている。
政府はこれまでもシェールガスを生産した企業への優遇策を打ち出すなど開発を後押ししてきたが
環境保護団体などによる抗議活動がたびたびおこり思うように勧められなかった。
キャメロン首相は
エネルギー分野でのロシアからの依存脱却が急がれる今こそ
シェールガスの開発を進めるべきだと訴えている。
(イギリス キャメロン首相)
「イギリスやヨーロッパには大変多くのシェールガスがある。
 政府が決断すればそれらを安全に取り出すことが可能だろう。」
ロシアからの依存を減らしつつ安いエネルギーをいかに安定的に調達するのか。
ヨーロッパ各国の模索が続いている。



コメント    この記事についてブログを書く
« 仏 バカロレア 若者の人生... | トップ | 「アナと雪の女王」 日本人... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

報道/ニュース」カテゴリの最新記事