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「アナと雪の女王」 日本人の技!

2014-06-04 07:15:00 | 報道/ニュース
5月31日 おはよう日本


5月下旬に興行収入が203億円を超え日本歴代3位となった「アナと雪の女王」。
アンデルセンの「雪の女王」をモチーフに作られたこの映画は
触れたものが凍ってしまう魔法帆力を持つ王女エルサと彼女を孤独から救おうとする妹アナの
姉妹のきずなを描いた物語である。
心に響く主題歌とCGの最新技術を駆使した雪と氷の映像美が観客を魅了している。

一流の映画関係者が腕を競い合う舞台ハリウッド。
「アナと雪の女王」はウォルト・ディズニー アニメーションスタジオで作られた。
作品に命を吹き込んだのは日本人のCGクリエーター 糸数弘樹さん。
糸数さんが担当したのは城やまわりの森の背景など。
ディズニー映画は400人のCGクリエーターが分業して作り上げる。
その技術が高く評価されアカデミー賞を受賞した。
(CGクリエーター 糸数弘樹さん)
「自分も参加したという誇りがあってすごく達成感がある。」
デザイナーの描いた絵を平面から3次元に作り直す。
(CGクリエーター 糸数弘樹さん)
「基本的には粘土と一緒。
 粘土細工をコンピューターでやっている。
 ポイントを引っ張ったり押したり形を変える。」
角度や方向を一つ一つ調整するという細かい作業を積み重ねる。
糸数さんが「アナと雪の女王」で担当した雪と氷に覆われた城。
城を覆うツララの向きは風向きによって変わる。
1本1本時間をかけて形を整えていった。
またデザイン画では描かれていない色の裏側を作り上げるためには想像力が求められる。
(CGクリエーター 糸数弘樹さん)
「平面だとカメラから見たところだけ格好良ければいいが
 どこから見てもいい形に作るのはまた難しい。」
映画終盤の見どころである大きな船が倒れてくるシーン。
このシーンは船が倒れる様子を3方向から見せている。
まず遠くから見た映像。
次は船の後ろ側から迫っていく映像。
倒れてくる船の下を間一髪すり抜ける姿を正面からとらえた映像。
頭の中で膨らませたイメージをCGの世界に作り出すことで観客を引き込む映像に仕上げた。
小さいころからものづくりが得意だった糸数さん。
デザインを学びたいと大学卒業後にアメリカに渡り寿司やでアルバイトをしながらデザイン学校に通った。
37歳の時ディズニースタジオに入社。
さまざまなヒット作品の制作に携わってきた。
クリエーターとしての評価を高めたのは4年前。
「塔の上のラプンツェル」では主人公の長い髪を担当し躍動感あふれる動きを表現した。
完成まで7年かかったと言う。
(CGクリエーター 糸数弘樹さん)
「ただがむしゃらに働いていた。
 とにかく追いつこうと必死でやっていた。」
オフィスに飾られている1枚の写真は糸数さんの故郷である沖縄県久米島の海である。
クリエーター人生の原点は久米島の環境にあると言う。
(CGクリエーター 糸数弘樹さん)
「何もないので小さい時から自分で物を作る。
 今の想像力にもしかするとつながるのかな。」
自分を育ててくれた久米島に恩返しをしたいと
糸数さんは3年前から母校久米島高校の生徒たちにCG制作の授業を行っている。
ネットを活用したテレビ電話。
この日は8人の生徒が集まった。
シンプルな形のキャラクターを作って基礎を学ぶ。
四角い胴体や腕を丸みを帯びた形にしていく。
アメリカの自宅にある糸数さんのパソコン画面ですべての生徒の画面が操作できるようになっている。
生徒たちはディズニーでの仕事についても興味津々である。
(生徒)
「『アナと雪の女王』で一番難しかったシーンは?」
(糸数さん)
「船が崩れて倒れるシーンがある。
 壊れた感じに作るために資料とか写真とか集めて
 そういう苦労をした。」
(生徒)
「今まで作ったキャラクターで一番難しかった顔は?」
(糸数さん)
「一番難しかったキャラクター 時間がかかったのはラプンツェルだね。
 リアルなキャラクターにするかアニメ風にするか
 ああでもないこうでもないと結局7年かかった。」
(生徒)
「難しいところまでいってないけどツララや背景も作ってみたら楽しいかなと思いました。」
「頑張って糸数さんに追いついていけたらと思います。」
(CGクリエーター 糸数弘樹さん)
「生徒はすごいチャレンジ精神や想像力がある人がいて
 夢に向かっていけばできるという刺激を与えたい。」

世界中の観客を魅了する美しいCGの世界。
糸数さんが手にした夢は次の世代へと受け継がれている。

久米島高校での糸数さんの授業は3年前から始まっているが
この授業をきっかけにCGについて本格的に学びたいと東京の専門学校に進んだ生徒もいる。
糸数さんは自身で作った教材をインターネット上でも公開していて誰でも見られるようになっている。







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