日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

どこかユーモラスな響き 「チバニアン」

2020-02-05 07:00:00 | 編集手帳

1月18日 読売新聞「編集手帳」


藤子・F・不二雄さんの漫画『パーマン』はアニメとなり、
何度も再放送された。
気弱な男の子が宇宙人にもらったマスクとマントを身につけ、
空飛ぶヒーローに変身する物語は多くの方がご記憶だろう。

舞台は東京だが、
パーマンは大阪にもいた。
子供の頃、
テレビの画面に登場してくるたび、
ほがらかな気持ちにさせてもらったのを覚えている。
その子の名は
「パーやん」

地域性にどこかユーモラスな響きが重なるところが似ていなくもない。「や」と「あ」の違いはあるものの、
いつも聞くだにパーやんを思い出して、
頬の緩む言葉がある。チバニアン――
千葉県市原市で見つかった太古の地層が、
韓国で開かれた国際学会で正式に認められたという。
きのうをもって世界のどの国でも、
77万年前~12万年前の地質学上の時代はチバニアンと呼ばれることになった。
一部に異議が出て、
立ち消えになる心配もあっただけに研究チームの喜びはひとしおだろう。

この地層からは地球のN極とS極が逆転したことが分かるとか。
親しみの持てる響きのなかに、
科学の奥行きがのぞく不思議なチバニアンである。

 


コメント    この記事についてブログを書く
« 災害の教訓を生かす努力を続ける | トップ | 災害を折に触れ考え、備える »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

編集手帳」カテゴリの最新記事