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アメリカ 女性の政治参画 何が課題?

2021-03-06 07:00:15 | 報道/ニュース

2021年2月12日 NHKBS1「国際報道2021」


1月 初めて女性の副大統領が誕生したアメリカ。
ただ女性の政治参画が進んでいるとは言えないのが現状である。
G7各国の女性議員の割合は
 1位 フランス 39.5%
 2位 イタリア 35.7%
 3位 イギリス 33.9%
 4位 ドイツ  31.5%
 5位 カナダ  29.6%
 6位 アメリカ 27.3%
 7位 日本    9.9%
アメリカは2020年秋の連邦議会選挙を経て
23.4%から27.3%に上昇しているが
日本の9.9%に次いで低い水準。
その背景には何があるのか。

女性として初の副大統領に就任したカマラ・ハリス氏。
将来の大統領候補とも言われ
バイデン政権における女性の政治参画の象徴的存在となっている。
しかし大統領選挙と同時に行われた連邦議会選挙では
立候補の段階から女性の割合は男性に比べて低く
民主党と共和党で合わせて
上院で23.9%
下院で29%
にとどまった。
女性の政治参画の研究で知られるラトガーズ大学。
30年前から政治を目指す女性に“選挙トレーニング”など実践的な講座を行なってきた。
しかしいまだ女性議員の割合が思うように増えていない現実に危機感を抱いている。
(ラトガーズ大学 アメリカ女性と政治センター ウォルシュ所長)
「家族や子どもの問題・環境問題などにおいて女性は非常にすぐれた視点を持っています。
 もし女性議員がいなければ女性のすぐれた視点は議論に反映されないでしょう。」
なぜ女性の立候補者の数は伸び悩んでいるのか。
その背景には日本とも共通する課題がある。
民主党のストリックランド下院議員。
8年間市長をし務めた経験をアピールして初当選した。
ストリックランドさんが壁と感じてきたのは
女性には家事や育児・介護などとの両立が求められることである。
(民主党 ストリックランド議員)
「男性議員は仕事と家事のバランスについて問われることがありません。
 今でも家族の世話の大部分を担っているのは女性だからです。
 市長になった時私はまだ独身でしたが
 経済面など家族ができてもやっていけるか考えざるを得ませんでした。」
下院議員となった今
女性が政治に参加しやすい社会を実現していきたいと考えている。
(民主党 ストリックランド議員)
「女性にとって良い政策は社会全体の利益です。
 さまざまな世代の女性が政治参画できるようにしたい。」
一方 投票する側は女性の候補者をどう受け止めているのか。
日本とアメリカの有権者の投票行動について研究を行なっている
早稲田大学政治経済学術院 小野義邦教授。
コンジョイント実験という方法で1、000人以上に対して調査を行なった。
参加者には
架空の候補者2人の性別・人種・重視する政策といったプロフィールを示し
どちらに投票するか選んでもらう。
これを何パターンも繰り返すことで
投票する際
どんな要素がどの程度影響しているのか推計することができる。
実験の結果
女性の候補者は男性に比べ
アメリカでは平均で1.3ポイント
日本では平均で2.7ポイント
得票しにくいことが分かった。
さらに
女性候補者がどんな政策をアピールするのかも得票に影響する可能性も見えてきた。
女性の場合
環境問題に比べて外交や安全保障をアピールする人の方が不利になる傾向があったというのである。
(早稲田大学 尾野教授)
「女性候補者がステレオタイプの枠から外れると
 ネガティブに有権者は評価する傾向がある。
 無意識のうちに女性はサブ的なものだというおそらくバイアスがある。
 現状としてバイアスがあると認識していると
 その辺 変わりやすくなる。」
こうした状況でどう女性候補者を増やしていくか。
ラトガーズ大学では政治家を目指す女性たちに具体的な選挙戦略の立て方を指導している。
1月に始まったオンライン講座にはこれまでにのべ650人余が参加。
(講師 セリンダ・レイク氏)
「選挙戦で重要なのは有能さと好感度の両立です。
 これらの要素は女性により多く求められます。」
この日は選挙で評価されやすいポイントとして
“他の政党のメンバーとも協力しあってきた“
“経営者として新たなビジネスや雇用をたくさん生んだ“など
協調性や実務経験をアピールすることを提示した。
大学では女性議員を増やすには
政党が具体的な取り組みを進める必要があると考えている。
(ラトガーズ大学 アメリカ女性と政治センター ウォルシュ所長)
「民主・共和両党は女性候補の擁立に力を注ぎ
 選挙で勝てるよう支援していくべきです。」




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