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“脱税防ぐレジ” アフリカに販路を

2014-06-05 07:15:00 | 海外ネットワーク
6月1日 NHK海外ネットワーク


日本の消費税は世界的には一般的に付加価値税とよばれ140以上の国で導入されている。
品物やサービスの取引に広く課税をすることで財源を確保する付加価値税。
急成長が続くアフリカでも多くの国が採用している。
ただアフリカでは制度はあっても税金の徴収が上手くいっていない国が多いというのが現状である。
そのような国のひとつ ブルキナファソにビジネスチャンスを見出そうとする日本企業がある。

アフリカ西部 サハラ砂漠の南に位置するブルキナファソ。
国民1人当たりの年間所得は約6万円と最貧国のひとつだがいま大きな変化が起きつつある。
中国など新興国向けの農産物の輸出が好調で海外からの投資も増加。
ここ数年は10%近い経済成長が続き
人口1700万の国民の半数が携帯電話を手にするようになった。
経済が上向きになるなか税収を増やす手段として政府がいま目を向けているのが20年前に導入した付加価値税である。
税率は18%。
しかしこれまで期待通りに税収はあがっていない。
多くの店が売り上げをごまかして申告し脱税してきたからである。
この状況にビジネスチャンスを見出した日本の企業がある。
レジメーカー社長 山田哲夫さん(65)。
山田さんはブルキナファソ国税庁のトップと直接交渉した。
売り込んでいるのはレジに接続する黒い端末。
店のレジにつなぐだけで国税庁は店の売り上げを直接把握できるようになる。
(山田哲夫さん)
「すべての情報を入手できる。
 国税査察官がチェックするのと同じだ。」
店が売り上げをごまかし脱税するのを防げるとあってブルキナファソ政府は山田さんにまず500台を注文した。
山田さんは2か月に1回のペースでブルキナファソに出張している。
1か月の滞在を終え帰国した。
(山田哲夫さん)
「現場を見ないことには解決策は出ない。
 今後の戦略も練れない。」
山田さんの会社の従業員は12人。
大阪を拠点に30年近くレジを販売してきた。
脱税を防止するためのシステム開発にも力を入れ
これまでヨーロッパや中南米など23か国に40万台余を納入。
この分野では日本有数のメーカーになっている。
山田さんの会社が開発した端末の仕組みは
レジに接続された黒い端末に店の売り上げがすべて記録される。
端末は国税庁に設置されたサーバーに売り上げを毎日送信する。
また不正を防止するため端末がレジから取り外されるとレジを使えなくする機能ももりこまれている。
国税庁は設置された店の売り上げを確実に把握できるので不正を防げるという仕組みである。
山田さんはこうした端末とサーバーをセットで売り込んでいる。
今回の売り込みを突破口にしてアフリカ各国への売り込みに弾みをつけようという狙いである。
(山田哲夫さん)
「我々のシステムはインフラに手を加えず
 設置すればあすから情報が集まってくる。
 ぜひ今チャンスのあるアフリカに攻め込みたい。」
しかし実際に導入されるまで安心できない。
ほかのアフリカの国では契約が突然白紙に戻った経験があったからである。
「契約というのは紙切れなのでいつ止まるかわからない。
 アフリカでは明日何があるかわからない。
 きょう何があってもわからないという感覚で物事をとらえていかないと。」
端末が将来国内のあらゆる店舗に設置されるようになるには法律に基づいて義務付けることが欠かせない。
山田さんはブルキナファソ政府にその方針を速やかに国民に明らかにするよう働きかけてきた。
そして5月 国税庁はスーパーや飲食店など初めの500台を設置する小売店関係者を集め説明会を開催。
端末設置の方針を初めて発表した。
しかし発表があまりにも突然だったため会場からはシステム導入への不安の声が上がった。
「設置費用はいくらぐらいかかるのか?」
「今までのやり方を変えないといけないのか?」
(国税庁長官)
「機器や装置を変える必要はない。
 安心してください。」
国税庁は端末を当面無料で配ることを約束。
適正な納税への理解を求めた。
山田さんもシステムの導入が国の将来のために必要だと訴えた。
(山田哲夫さん)
「このシステムはブルキナファソの近代化
 政府 子どもたちの役に立つ。」
(説明会の参加者)
「ブルキナファソの発展につながると思う。
 そのためには国民へ周知しないと。」
説明会の翌日 山田さんは参加した飲食店を訪ねた。
システムが簡単に使えることを繰り返し説明し不安を解消するためである。
(飲食店経営者)
「店の信用にかかわるので私は置いていいと思う。」
ブルキナファソにシステムを根付かせアフリカ市場の扉を開くことができるのか。
山田さんの挑戦は続く。
(レジメーカー社長 山田哲夫さん)
「システムをその国に導入することで
 教育・医療・国のインフラが大きく変わる。
 ブルキナファソを最初のプラットホームにし1か国1か国攻めていきたい。」

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