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成長続くか ポーランド経済

2014-09-04 07:15:00 | 報道/ニュース

8月27日 キャッチ!


今年 民主化25周年を迎えたポーランド。
2004年にEUへの加盟を果たした後
信用不安に陥ったヨーロッパの中にあっても堅実な経済成長を続けてきた。
EU加盟国の利点を生かし日本を含む外資系企業の進出も進んでいる。
ポーランドのGDPは1994年以来 順調に推移している。
EU加盟国28か国GDP(2013年)
 1位 ドイツ  2位 フランス  3位 イギリス  4位 イタリア  5位 スペイン
 6位 オランダ  7位 スウェーデン  8位 ポーランド  9位 ベルギー  10位 オーストリア

ポーランドの首都 ワルシャワは人口約170万。
市街地は第二次世界大戦中にドイツ軍によって徹底的に破壊されたが戦後 市民の手で再建された。
歴史地区はユネスコの世界遺産にも登録され多くの観光客でにぎわっている。
GDP国内総生産の伸びは1992年以来 22年連続プラス成長。
リーマンショックやヨーロッパ信用不安の影響も比較的小さく経済は堅調。
経済成長を促す力となったのが2004年のEUヨーロッパ連合への加盟である。
ポーランドはEUから経済格差是正を目的とした巨額の補助金を受け取ってきた。
この補助金を使って高速道路など交通インフラの整備を積極的に進めてきた。
去年までの7年間の補助金は加盟国の中で最も多い673億ユーロ(約9兆円)。
国の南北・東西を貫く幹線道路の建設が続いている。
国内には14の経済特区があり法人税などが優遇される。
このうちドイツへつながる道路沿いにある南部のカドビツェ経済特区にはドイツやイタリア、日本などの企業が進出。
自動車部品を製造する日本企業は2004年 ポーランドがEUに加盟した年に生産を始めた。
去年 新しい工場も完成し生産を拡大させている。
この工場ではヨーロッパで普及しているディーゼル車用に排気ガスを浄化するセラミックス製品を作っている。
従業員は2500人。
人件費は隣国ドイツの半分以下である。
この工場で作られた製品のほとんどはドイツやイギリスなどヨーロッパの西側に向けて出荷される。
高速道路を利用すればドイツの首都ベルリンまで4時間半。
同じEU加盟国のため税関手続きは必要ない。
EUは自動車の排ガス規制を段階的に厳しくしているため
この企業ではさらなる需要が期待できるとして工場の増設も進めている。
(NGKセラミックス ポーランド 石川理社長)
「主な供給先のドイツが近隣にあることがポーランドの利点と言える。
 投資メリットは行政の支援体制が出来ていることで投資に見合ったインセンティブ(優遇措置)を提供してもらえること。」
ポーランド第3の都市 ウッジ。
衰退した繊維産業に代わる新たな産業として企業の会計業務や情報処理などを請け負うサービスセンターの誘致に力を入れている。
2007年に進出したインドの情報システム開発企業。
従業員は2200人。
ヨーロッパの拠点として13の企業と会計業務などの委託契約を結んでいる。
売り上げは毎年約20%ずつ伸びている。
(事務代行会社 ヤツコフスカ社長)
「当社などの事務代行会社がポーランドに拠点を置く理由は
 優秀な人材と非常に優れた教育制度がこの国に備わっているからです。」
この会社で働いているプシェミスワフ・スワビンスキさん(28)。
ヨーロッパの複数の企業から必要な物品の調達を請け負っている。
地元のウッジ大学を卒業したスワビンスキさんは流通な英語とフランス語を生かせる仕事に満足している。
10年前ウッジの失業率は18%を超え
大学の卒業生の多くは仕事を求めてワルシャワやイギリスなどの海外へ出て行った。 
いまその必要はないと言う。
(プシェミスワフ・スワビンスキさん)
「この国は経済も人の生活もダイナミックに発展しています。
 その中で暮らせることは大変幸せです。」

経済の面でポーランドは隣国のウクライナと比べられることが多い。
旧ソビエト崩壊の前年の1990年の時点では1にんあたりのGDPはほとんど同じだった。
それから20年余り ポーランドの1人当たりのGDPはウクライナの3倍以上となった。
その理由のひとつは政治の安定。
ウクライナはロシアからの関与もあってヨーロッパに近づくのかロシアに近づくのかと揺れてきた。
ポーランドは一貫してヨーロッパを目指してEUへの加盟とNATOへの加盟を果たした。
このヨーロッパを目指す路線は国内の経済改革を推し進める原動力になった。
1990年代初めはポーランドでも物価の上昇や国有企業の破たんなど改革の副作用とも呼べる経済の混乱も見られたが
間もなくその混乱も収まり民間企業企業の発展が始まった。
EU加盟後はEUからの補助金でインフラなどの開発計画も進み
またEUという巨大な市場を獲得したことや海外からの投資を呼び込むことにより経済成長を実現した。
今後の課題のひとつはEU経済。
最大の貿易相手国でポーランド経済のけん引してきたドイツの先行きである。
EU統計局の発表では今年4月~6月のドイツのGDPの伸びは-0,2%。
マイナス成長と転じた。
ウクライナ情勢をめぐる欧米とロシアの対立が長引けばドイツ経済への影響は避けられないとみられ
ポーランド経済への悪影響となる恐れは十分にある。
そして経済成長を支えてきたEUからの巨額の補助金が今後も確保できるかどうか。
2020年までは825億ユーロを確保しているがそれ以降は減っていくのではないかという課題もある。
EUはポーランドより遅れて加盟したルーマニアとブルガリア、加盟を果たしたばかりのクロアチアという
比較的新しい加盟国に力点を移していくのではないかいう見方もある。




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