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ラグビーW杯 “サポート役”高校教師 一流審判に学ぶ

2019-11-06 07:00:00 | 報道/ニュース

10月15日 NHK[おはよう日本」


ラグビーW杯
選手たちの活躍を陰で支える重要な存在が審判である。
今大会では世界各国から23人の一流の審判が集められている。
今回 大会の組織委員会は
審判たちが試合に集中できるよう
ローカルリエゾン(地元案内役)と呼ばれる日本人のサポート役を全国で9人選んだ。
試合の前後
審判団に付き添って
会場でのアテンドや食事の用意
スケジュールの管理などを手伝う。
このサポート役に選ばれた9人の中の1人が
大分県の高校の先生である。

大分市内 大分東明高校の英語の教師
井餘田智さん(29)。
英語力を生かしてW杯の審判をサポートしてほしいと依頼を受けた。
井餘田さんはラグビー部のコーチも務めている。
3年前に審判の資格を取得したばかり。
W杯で審判を務めるのが夢である。
そんな井餘田さんにとって今回の審判のサポート役は
一流の審判のすごさに触れる大きなチャンスである。
ラグビーの審判は
1試合80分を休みなく走り回り
走る距離が10キロ以上にのぼることもある。
また激しい身体接触で興奮する選手たちを統率して
ゲームをコントロールするのも審判の役目である。
井餘田さんは
体を自己管理するコツや
短い時間で選手から信頼を得る極意を学びたいと考えていた。
(井餘田智さん)
「雲の上の存在の方々で
 技術面であり内面や精神面を学びたいと思います。」
井餘田さんのメモにはすでに
分刻みで審判団をサポートするスケジュールを念密に立てていた。
また試合前日に彼らにリラックスしてもらうため
どんな場所で夕食を撮ってもらうのがいいか候補をピックアップした。
(井餘田智さん)
「外国人がラーメンを好きらしいので
 大分駅周辺のラーメン屋さんをピックアップしている。」
W杯本番の前日
いよいよホテルに来た審判団を出迎える。
翌日の試合の主審のジェローム・ガルセスさん(45)。
2015年の日本×南アフリカ戦の主審を務めたのがガルセスさんである。
日本が歴史的な勝利を達成できたのは
ガルセスさんのフェアプレーを重視する姿勢があったためとも言われている。
さっそく審判団を食事に案内する井餘田さん。
審判団からは“試合前のメディアとの接触を控えたい”と。
井餘田さんによれば
審判団の夕食は両チームの特徴を事前に確認するミーティングのようだったという。
(井餘田智さん)
「両チームのい映像を見ながら
 真面目に話していて。
 食事ひとつにしても細心の注意を払う。
 お酒を飲まないとか
 そういうのもありました。」
試合当日の10月9日 大分スポーツ公園総合競技場。
キックオフの4時間も前に会場に到着した井餘田さん。
このあと控室の掃除や飲み物の用意など
審判団が集中できる環境を事前に整える。
そして午後7時前
主審のガルセスさんの笛で
優勝候補の一角ウェールズとフィジーの試合が始まった。
試合は序盤から両チームが激しく攻撃しあう展開となった。
井餘田さんが強く引きつけられたシーンは
フィジーがトライを決めたように見えた直後のことだった。
ガルセス主審はゲームを止め
トライの前の状況について副審とビデオ判定室に情報を求める。
このとき二つの反則が連続していた。
ウェールズの選手が相手に危険なタックルを行ったあと
フィジーの選手が前へパスを出す反則を行っていたのである。
ガルセスさんはその時の状況を短い言葉ですばやく確認する。
そして両チームのキャプテンを呼んだガルセスさん。
選手の気持ちをしずめつつ反則の内容を簡潔に説明する。
(W杯主審 ジェローム・ガルセスさん)
「赤(ウェールズ)の2番による危険なタックルがあった。
 そしてフィジーのトライも取り消します。
 フィジーにペナルティキックの機会を与え
 ウェールズにはイエローカードです。
 安全上の問題です。」
(ウェールズ主将)
「あれが危険だったと?」
「そう危険だった。」
状況を冷静に分析し
公平な判断で両者を納得させる。
フェアプレーを重んじるガルセスんの真骨頂である。
(W杯主審 ジェローム・ガルセスさん)
「審判は選手と関係を築くこと。
 ゲームを持続させていくことが大事なんだ。
(井餘田智さん)
「チームワークでAR(副審)TMO(ビデオ審判)と連携をとって判定するところ。
 自分の目に見えるものを信じて力強く笛を吹く判定をするところ。
 あのあたりが一流なのかな感じました。」
翌日 次の試合に向けて大分を後にする審判を見送った井餘田さん。
審判たちから次々にエールの言葉をもらった。
(W杯副審 カール・ディクソンさん)
「審判に重要なことは相手とユニケーションをとること。
 相手の立場に立って十分に敬意を払うこと。
 もちろん自分自身も試合を楽しむこと。
 これからも審判を目指してがんばってほしい。」
(井餘田智さん)
「審判たちと接してみて
 裏の努力というのが大事なんだと感じました。
 思い出ということで
 最後にメッセージやサインとかいただいて
 この一冊が自分の今回の宝物。」

 


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