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正社員になれない その実態は

2015-12-22 07:30:00 | 報道/ニュース

12月3日 おはよう日本


35歳~54歳までの非正規労働者数を見ると
規制緩和や働き方の多様化や就職難などを背景に2000年に入ってから急増。
いまでは273万人にのぼる。
この中には正社員になりたくてもなれずアルバイトを転々とするなど
不本意な形で働いている人も少なくない。
こうした人たちは「中年フリーター」と呼ばれ
彼らが高齢化する近い将来社会的な負担が増えることも懸念されている。

都内でフリーターをしている38歳の男性。
週に2日程度 飲食店でアルバイトをし帰宅するのは深夜0時過ぎである。
飲食店での日当は7,650円。
年収は250万円余。
生活はぎりぎりで貯金をする余裕はない。
「こんなはずじゃなかったのにという気持ちが正直ある。」
男性は都内の有名大学に通っていたが
就職活動をしたのは“氷河期”と言われた2001年。
希望する会社から内定をもらうことはできなかった。
卒業と同時にフリーターになり
引っ越しやビラ配りなどのアルバイトをして生活してきた。
これまで正社員として働いた経験は一度もない。
「ちゃんと会社に勤めてある程度経ったら結婚して
 みたいに漠然と描いていた。
 自分がアルバイトで食いつないでなんとか生活していく状態を想像していなかった。」
長年交際していた女性とも別れることになったという男性。
今の生活から抜け出したいと正社員での就職を目指しているが
40歳を前にしてアルバイトの経験しかないことが高い壁になっていると感じている。
「自分がそういう状況になるのをまずいとは感じている。
 このままだとどんどん就職は厳しくなる。
 将来老後になったときにどうなるのかなと考えたりもする。」
増え続ける中年のフリーター。
東京都は今年初めて30代から40代に特化した就職支援に乗り出した。
非正規雇用で働いている人たちを集めて3か月間訓練する。
この日は新聞記事を使ったトレーニングを行った。
記事の感想を発表し
自ら考え
表現する力を鍛える。
正社員として仕事をした経験がない人が多いため
基礎的な訓練を徹底して行うのである。
(東京都 正社員就職プログラム講師 藤原紀恵さん)
「アルバイトや派遣非正規の経験が長い人や働かないブランクが長かったため
 指示待ちになってしまったり受け身の体勢が見についてしまっている。
 3か月後には正社員を目指して克服できるよう訓練している。」
企業訪問も訓練のひとつである。
様々な業種を訪ね
希望する職種以外にも視野を広げてもらう狙いである。
(受講者)
「自分が考えなかった職種に触れる機会になり
 今まで考えていなかった道もあるのではと考えるきっかけになっている。」
東京都ではさらに若い人の採用に偏りがちな企業側への働き掛けも行っている。
正社員を希望する中年の非正規労働者を試しに雇ってもらおうという取り組みである。
期間は1か月。
その間の給料は東京都が負担する。
オフィス機器のシステム開発会社で働く坂元武秀さん(41)。
東京都の取り組みで仕事を始めた一人である。
コンピューター関連の会社で作業員などのアルバイトをしてきたが
今の担当はこれまで経験したことのない営業である。
営業の仕事にチャレンジすることにしたのは東京都の担当者から勧められたからである。
(坂元武秀さん)
「話し方の雰囲気があなたが思っている以上に営業に向いているかもしれないと
 東京都の担当者に言われた。
 そんなに口がうまい方ではないので
 自分が営業なんてできるかなという気持ちがあった。」
坂元さんを雇ったシステム開発会社 牧野幸雄社長。
営業社員を募集していたが人材の確保に苦労していた。
東京都からの申し出で41歳の坂本さんを雇うことにしたという。
(牧野幸雄社長)
「仕事を覚えてもらうためにずいぶん時間がかかるんですけど
 本人の努力 向上心を持っている人が来てくれたなという気持ち。」
坂元さんは1か月の試用期間を経て正社員として採用された。
慣れない仕事ながらもこれまでにない前向きな気持ちで働けているという。
(坂元武秀さん)
「今までは来年の今頃どうしているかわからないという雰囲気だった。
 いまだったら来年の今頃は一人前になって契約も取れて
 いっぱしになるという目標が建てられる。」


 


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