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マカオ カジノ街 急速発展の光と影

2017-03-31 07:15:00 | 報道/ニュース

3月9日 キャッチ!


香港から高速船で1時間の距離にあるマカオは
約30平方キロの広さに60万人余が暮らしている。
ポルトガル領だったころからカジノが主な産業だったが
2002年にカジノの経営に国際入札制度を導入して以降は
香港やアメリカの資本が入って急速に発展し
いまやマカオのカジノの売り上げはラスベガスを抜いて世界一だということである。

世界各国のギャンブラーが一獲千金を夢見る町マカオ。
去年のカジノの収益は3兆円余。
カジノからの税収が地元政府の歳入の7割以上を占めている。
そして欲望の町はいま生まれ変わろうとしている。
マカオでは一般の観光客を呼び込もうという施設が建設されている。
カジノにホテルや劇場、ショッピングモールなどを併設した
IR(統合型リゾート施設)が次々にオープンしている。
習近平指導部が汚職撲滅に取り組んでいる影響もあり
顧客ターゲットを中国本土の富裕層から一般の観光客に広げようとしている。
観覧車が埋め込まれているホテル。
中国で縁起が良いとされる「8」の字がデザインされている。
去年 中国本土から訪れた観光客は2,000万人。
返還された1999年当時の12倍にあたり
名所旧跡の周辺は常に混雑している。
カジノ産業の発展は地元経済に恩恵をもたらした。
職人が作る伝統のアーモンドクッキーは1箱60円ほどと手ごろな価格で
アーモンドの香りがほんのり甘く
お茶うけとして人気である。
この菓子店の創業は1934年。
家族経営で今の社長は3代目である。
20年前までは1つの店舗で香港からの観光客を相手に細々と商売をしていた。
ところがカジノの発展とともに中国本土からの客が急増するのを見て
店は拡張路線をとった。
中国人が好む味を中心に商品を300種類に増やした。
(菓子店3代目 黄若礼さん)
「中国本土の人は辛いものが好きです。
さらに観光名所の付近を中心に店舗を13か所に拡大。
統合型リゾート施設の中にも出店した。
売り上げは返還当時の30倍以上に増加し
いま海外にも輸出を始めている。
(菓子店3代目 黄若礼さん)
「マカオの急速な発展を予想できた人は少ないでしょう。
 新たにカジノができれば商売は広がるので
 カジノは大歓迎です。」 
一方 苦境に立たされる市民も出てきている。
古い住宅街に夫と暮らす劉潔梅さん。
劉さん夫婦は中国の伝統的な薬を販売する店を経営してきた。
店は4代にわたって100年以上続き
地元の住民を相手に商売をしてきた。
ところが今年1月 店舗の賃貸契約の更新の際
家主から退去を求められ
やむなく店は閉店した。
マカオの不動産価格は10年で5倍に高騰。
多くの家主が高い家賃を得ようと
地元相手の商店から
観光客相手の飲食店や携帯電話の販売店などに変えようとしている。
急速に失われていく慣れ親しんだ街の風景。
劉さん夫婦は年金を頼りに
細々と生活していくほかはない。
(元薬局経営 劉潔梅さん)
「ご近所から『最近見ないね』と寂しがられます。
 私たちも悲しくてここに来ないようにしています。
 あたしたちのような古い店は淘汰されるんです。」
怪しいまでの輝きを放ち
人々を魅了するカジノの町マカオ。
その急速な発展の陰で住民たちの暮らしは変化を迫られている。






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