2月7日 キャッチ!
日本を含む海外の企業が集まり
金融 貿易の中心地として中国の経済をけん引してきた上海。
その影響力は経済だけにとどまらず
政治にも及ぶ。
習近平氏は11年前にその上海市のトップ 書記に就任し
その後国家主席に上りつめた。
そして去年10月
党大会を受けた人事によって
再び修主席の上海に対する意向が強まり
さらなる成長の行方が注目されている。
近年
広東省深圳など他の年の急成長が目立つなか
上海はその地位をどう守ろうとしているのか。
1月に開かれた上海市の人民代表大会。
会場には去年10月の中国共産党大会を受けて
上海市のトップ
書記に抜擢された李強氏が登場。
習近平国家主席がかつて勤務した浙江省で同じように部下として仕え
上海市長を務める応勇氏とともに上海市の舵取りを担うことになった。
大会ではさらなる成長を目指そうと長期的な計画が示された。
(上海市 応勇市長)
「我々は2015年までに“社会主義現代国際都市”として
世界の中でも影響力を持った都市になるという青写真を実現する。」
中国経済が減速するなかで
この5年 7%以上の経済成長を遂げてきた中国最大の経済都市 上海。
さらなる経済成長によって
東京やニューヨーク パリなどと並ぶ
“グローバル都市”を目指す動きがいま活発になっている。
その1つが上海の自由貿易試験区で行われている規制緩和の拡大である。
試験区で去年新たに設立された化粧品に特化した貿易センター。
ここでは年間日本円で約28兆円にものぼると言われる
中国人が海外で行なういわゆる“爆買い”の一部を国内に誘導しようという試みが行われている。
中国での化粧品の輸入許可手続きは成分検査などで通常約2年かかるが
このセンターではそれを1週間ほどに短縮。
コストも安く新製品をいち早く輸入できるため
試験的にこの施設で販売する海外の化粧品会社も出てきた。
さまざまな化粧品を国内で飼うことができるこの仕組み。
上海でうまくいけば中国政府は他の地域にも広げていく方針である。
(貿易会社 責任者)
「国外に行って買っているものを中国国内で買うことになれば
政府も税収が増えると考えてこのセンターを作ったのだと思います。」
上海市は将来の経済成長を担う企業の誘致や育成にも力を入れている。
ベンチャー企業の支援のために作られたベンチャーパーク。
かつて上海の主要産業の1つだった紡績工場の跡地に4年前に設立された。
ここでの売りはベンチャー企業への手厚いサービスである。
通常なら煩雑なオフィスの入居手続きや企業登記を
この施設なら約20分で行なえるという。
提供されるオフィススペースも大小さまざま。
机1つ分という小さいスペースから借りることができる。
こうしたきめの細かい支援もあって
この施設では約300のベンチャー企業が集まっている。
ベンチャーバークが特に力を入れているのは
成長が見込まれるIT企業の誘致である。
人工知能を使った英会話アプリを提供している企業。
設立6年でダウンロード数7,000万と急成長を遂げた。
アメリカ留学の経験がある商業者が
上海に隣接する浙江省で会社をスタートさせたこの企業。
上海市から破格の優遇が受けられることを知り
事業拡大に向け
移転を決めたという。
(アプリ会社 CEO 王翌さん)
「上海市は特別な政策により
私のような帰国者の事業に100万人民元(約1,700万円)の資金を出してくれました。」
ベンチャーパークの責任者は
積極的な支援でIT企業を誘致し成功させることは上海市の今後にとって重要だと強調する。
(ベンチャーパーク 責任者)
「世界的な都市には技術革新は欠かせません。
上海はITベンチャーの分野でも世界の中心になる必要があるのです。」