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京都 伝統の技で町家を火災から守る

2021-02-25 07:03:02 | 報道/ニュース

2021年2月2日 NHK「おはよう日本」


京都景観を象徴する「京町家」と呼ばれる古い木造住宅。
京都市内には4万軒が残っている。
風情がある一方で
ひとたび火が出れば
周辺に一気に燃え広がって被害が広がりやすいとされている。
“町の景観を守りつつ都市の防災力を高める“
注目されたのは伝統の材料と技。

訪れる人たちに京都らしさを感じさせる京町家。
昭和25年より前に京都市内に建てられた木造住宅を指す。
密集して建てられている木造の町家の弱点は
火が燃え広がりやすいこと。
平成30年5月
祇園で起きた火災では火元の日本料理店が全焼し
隣接する5棟にも延焼した。
火災から京町家を守るためにできることは何か。
京都市は4年前
大学の研究者を交えた検討チームを起ち上げた。
外からの火を防ぐためには
窓や出入り口など
火が室内に入り込むすき間をできるだけなくさなければならない。
開発を目指したのは京町家になじむ木製の防火戸である。
カギを握るのは消防が駆けつけるまで延焼に耐えられるようにすること。
木は火に決して弱いわけではない。
水分を多く含み“燃えるのに時間がかかる“という特性を生かせると考えた。
(京都市建築指導部 高木部長)
「もともとあった町家の姿のままでも火に強いものができるということになりますので
 これは非常に大きい。」
手がけるのは伝統の技を持つ宮大工たち。
手に入りやすい杉材を使って
2年間試行錯誤を続けてきた。
火が入り込まないよう
厚さ30ミリの木材のすき間をなくさなければならない。
木材に凹凸をつけて組み合わせていく。
苦労したのが木のそりを防ぐことである。
これまでの実験では
熱でそってしまった結果
防火戸は割れ一気に燃え上がってしまった。
そりやすい大きな板は使わず
縦と横に補強材を加えて改良を重ねてきた。
(京都府建築工業協同組合 木村理事長)
「割れた瞬間火が中にはいるからだめ。
 一番難しい。
 実験やるまでわかりません。」
2020年12月 大阪池田市の試験所。
この日行われたのは木製防火戸の燃焼実験である。
消防が現場に到着するまでにかかるのは長くて20分。
その間耐えることができるのか。
反対側まで火が通らなければ成功である。
すぐに燃焼温度は800度近くまで上昇。
煙と一緒に木に含まれる水分が蒸発し始めた。
10分後には木材から出る水滴を確認。
そして
20分経っても火が反対側に達することはなく
実験は見事に成功した。
1000度近い炎で焼かれたとの裏面は焼け焦げたが
厚さ30ミリの木材は最も薄い部分でも10ミリ残っていた。
木製の防火戸は十分な強さを備えていることが証明された。
昭和8年に建てられた京町家を改装したカフェ。
京都市が先行して認めた木の防火戸を設置している。
十分な耐火性を持つ期の防火戸は建物と調和している。
今回の実験の成功を受け京都市は
さらに全国の古い町並みを守ることにも役立ててもらうため
国の認定を取ることにしている。
(京都市建築指導部 高木部長)
「認定を取るということは全国各地どちらでも使えるということですし
 京都市内には京町家をはじめとする伝統的な建築物が多く集積する地域ですので
 スタンダードに使っていただけるように普及啓発もしていきたい。」





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