評価点:72点/2019年/アメリカ/99分
監督:ブライアン・カーク
製作:ルッソ兄弟 他
NYのために生きる警官の光と影。
殉職した警官を父に持つアンドレ・デイビス(チャドウィック・ボーズマン)は、警官殺しの犯人を射殺したことでNY州でも有名だった。
ある晩に、麻薬組織の倉庫になっていたワイナリーに強盗が入る。
駆けつけた警察官が殺され、容疑者二人は逃走する。
85分署の麻薬捜査官のフランキー・バーンズ(シエナ・ミラー)のとともに、事故現場に駆けつけたアンドレが捜査に当たることになった。
発生後すぐに犯人を追い詰めるために、アンドレはNYのマンハッタンに津ながらル21の橋をすべて封鎖するように命じる。
驚くFBIやNY市警たちだが、わずかな手がかりから、強盗したのは退役軍人のマイケルとレイであることがわかる。
しかし、二人は聞いていた話とは全く違う麻薬の量に焦りを隠せずにいた……。
2020年になくなったチャドウィック・ボーズマン主演のアクション映画。
日本の公開当時、すでに亡くなっており、私は見に行きたいと思っていたが、劇場にはいけなかった。
アマプラで配信されていたので再生ボタンを押した。
どういう話なのかいまいちわかっていなかったが、予備知識など必要ないだろう。
画面で生き生きと演じるボーズマンを見ていると、それだけで哀しい気持ちになる。
ヒース・レジャーにしても、若くして亡くなった俳優を見ると、つらくなってしまう。
▼以下はネタバレあり▼
非常に短い上映時間の映画で、一晩で起こった警官殺人事件(麻薬強盗事件)の顛末を描く。
展開としてはよくある話(NYってだいたいそういう街ですよね)で、わかりやすい。
短い時間の中でも、描写はわかりやすいし、余計なカットもほとんどないので、展開も読める。
ただ、それでも映画として面白いのは、結構(プロット)がしっかりしているからだろう。
職務を遂行することに極めて真面目な主人公と、街を守ることに疲れてしまった汚職警官。
物価がますます高くなって、アメリカに対する羨望の眼差しを日本は向けているけれど、実際にはそんなおいしい話ではないだろう。
もちろんこの映画は少し前の話なので、2022年の現状ではないだろうが。
ここに麻薬がある、という話を聞いた二人の元アメリカ兵は、実際に強盗に入ってみればその十倍の量の麻薬が積んであった。
勢いに任せて強奪したが、ここは警官が縄張りにしている危険な麻薬であり、組織の人間だけではなく警官殺しという勲章までついて追われてしまう。
助けを求めてマネーロンダリングしようとしたら、実際にはそのおっさんは、汚職警官も利用する有名人だった。
汚職警官たちは自分たちの悪事を暴かれるのを恐れて、そのおっさんも容赦なく殺してしまう。
レイが殺されて、マイケルだけになってしまったところを追い詰めたのが、アンドレだった、というわけだ。
NYという狭い世界だけを舞台にしたこと、一晩という区切られた世界だけにしたことが、この映画の完成度を高めている。
緊張感が続き、5時間だけの封鎖、というゴール(終焉)もわかりやすかった。
麻薬を盗む、という悪人に対しても、戸惑う言葉や迷う様子を描くことで、感情移入させながら、黒幕を探させる展開になっていた。
とはいえ、一直線に進むため、深い味わいはない。
J・K・シモンズが出てきた瞬間から、すでに黒幕然としているので、意外性もない。
それだけ良い役者だといえば聞こえは良いが……。
展開的にはもう一ひねり欲しかった。
なんなら、ほとんど主人公のようにマイケルを扱っても良かったかもしれない。
あるいはほとんど描かないことにしてしまうか。
短い時間で観客に状況をわかりやすく伝える、ということは、単純であり謎が少ない、ということでもある。
映画って難しいですね。
「マーベル」以外での代表作やシリーズ作になり得ただけに、チャドウィックを失ってしまった悲しみは計り知れない。
監督:ブライアン・カーク
製作:ルッソ兄弟 他
NYのために生きる警官の光と影。
殉職した警官を父に持つアンドレ・デイビス(チャドウィック・ボーズマン)は、警官殺しの犯人を射殺したことでNY州でも有名だった。
ある晩に、麻薬組織の倉庫になっていたワイナリーに強盗が入る。
駆けつけた警察官が殺され、容疑者二人は逃走する。
85分署の麻薬捜査官のフランキー・バーンズ(シエナ・ミラー)のとともに、事故現場に駆けつけたアンドレが捜査に当たることになった。
発生後すぐに犯人を追い詰めるために、アンドレはNYのマンハッタンに津ながらル21の橋をすべて封鎖するように命じる。
驚くFBIやNY市警たちだが、わずかな手がかりから、強盗したのは退役軍人のマイケルとレイであることがわかる。
しかし、二人は聞いていた話とは全く違う麻薬の量に焦りを隠せずにいた……。
2020年になくなったチャドウィック・ボーズマン主演のアクション映画。
日本の公開当時、すでに亡くなっており、私は見に行きたいと思っていたが、劇場にはいけなかった。
アマプラで配信されていたので再生ボタンを押した。
どういう話なのかいまいちわかっていなかったが、予備知識など必要ないだろう。
画面で生き生きと演じるボーズマンを見ていると、それだけで哀しい気持ちになる。
ヒース・レジャーにしても、若くして亡くなった俳優を見ると、つらくなってしまう。
▼以下はネタバレあり▼
非常に短い上映時間の映画で、一晩で起こった警官殺人事件(麻薬強盗事件)の顛末を描く。
展開としてはよくある話(NYってだいたいそういう街ですよね)で、わかりやすい。
短い時間の中でも、描写はわかりやすいし、余計なカットもほとんどないので、展開も読める。
ただ、それでも映画として面白いのは、結構(プロット)がしっかりしているからだろう。
職務を遂行することに極めて真面目な主人公と、街を守ることに疲れてしまった汚職警官。
物価がますます高くなって、アメリカに対する羨望の眼差しを日本は向けているけれど、実際にはそんなおいしい話ではないだろう。
もちろんこの映画は少し前の話なので、2022年の現状ではないだろうが。
ここに麻薬がある、という話を聞いた二人の元アメリカ兵は、実際に強盗に入ってみればその十倍の量の麻薬が積んであった。
勢いに任せて強奪したが、ここは警官が縄張りにしている危険な麻薬であり、組織の人間だけではなく警官殺しという勲章までついて追われてしまう。
助けを求めてマネーロンダリングしようとしたら、実際にはそのおっさんは、汚職警官も利用する有名人だった。
汚職警官たちは自分たちの悪事を暴かれるのを恐れて、そのおっさんも容赦なく殺してしまう。
レイが殺されて、マイケルだけになってしまったところを追い詰めたのが、アンドレだった、というわけだ。
NYという狭い世界だけを舞台にしたこと、一晩という区切られた世界だけにしたことが、この映画の完成度を高めている。
緊張感が続き、5時間だけの封鎖、というゴール(終焉)もわかりやすかった。
麻薬を盗む、という悪人に対しても、戸惑う言葉や迷う様子を描くことで、感情移入させながら、黒幕を探させる展開になっていた。
とはいえ、一直線に進むため、深い味わいはない。
J・K・シモンズが出てきた瞬間から、すでに黒幕然としているので、意外性もない。
それだけ良い役者だといえば聞こえは良いが……。
展開的にはもう一ひねり欲しかった。
なんなら、ほとんど主人公のようにマイケルを扱っても良かったかもしれない。
あるいはほとんど描かないことにしてしまうか。
短い時間で観客に状況をわかりやすく伝える、ということは、単純であり謎が少ない、ということでもある。
映画って難しいですね。
「マーベル」以外での代表作やシリーズ作になり得ただけに、チャドウィックを失ってしまった悲しみは計り知れない。
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