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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

質を量で測れるのか。

2018-03-06 23:59:45 | 毎日コラム
現代人はすべてを数値化することで見える化してきた。
逆に見えないことを見る力がなくなってきた気がする。
その最たる部分が、質を量で測ろうとしているという点だ。
これも私が考えたことではない。
確か、森博嗣の親書だったと思う。

質を量で測ることに慣れているので、私たちの感動は容易に数値にされてしまう。
視聴率によって番組の出来不出来を測る。
興行収入によって映画の成否を測る。
良い作品かどうかは、売れたかどうかという数値で測るのが当たり前だ。
アカデミー賞でさえ、会員の投票の多数決で決まる。

多くの人が評価することが高い完成度を示すことはあり得るだろう。
だが、一方でお金にならなくても多くの人が評価しない作品であっても、鋭い表現をしている作品はあるはずだ。
そういう作品を見抜くことも大切なことだと思う。
そうでないなら、一般受けする、大衆に迎合するような作品ばかりが作られていくことになる。
多くの人に人気があるということは、逆にわかりやすい、反知性主義的な作品である可能性もあるわけだから。

人の承認も「いいね!」の数で測られるような勘違いまで起こっている。
フォロワーの数で自分の人気と存在価値を図ったような気になる。
それは決してあなたの問題ではない。
私自身も、アクセス数によって一喜一憂するのだから。

だが、果たして私の命を、私の人生はそれで決まるのだろうか。

私が測りたいのは質か?量か?
それで本当に測りたいものは測れるのか。
しかしその命題に答えることはますます難しくなってきている。
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