京都シネマにて鑑賞した『ヘンダーソン夫人の贈り物』、これは実話の物語です
ヘンダーソン夫人にはジュディ・デンチ先日観た「007/カジノロワイヤル」ではボンドの上司Mを演じていました。そして共演はボブ・ホスキンス、「コットン・クラブ」や「未来世紀ブラジル」などに出演している有名な俳優さん
お話舞台は1937年のイギリス、夫に先立たれて未亡人となったローラ・ヘンダーソン(ジュディ・デンチ)は莫大な遺産を受け継ぐことに。ポカンと心に穴があいた夫人はこの先どうして生きていけばと、悩んでしまう。そんなある日ウエストエンドのソーホーで、閉鎖されて古びたウィンドミル劇場が売り出されているのを見つける(ウィンドミルとは風車という意味)この劇場をヘンダーソン夫人は買い取り、劇場支配人にヴィヴィアン・ヴァンダム(ボブ・ホスキンス)を雇う。ショーの内容は2時間のミュージカルコメディを一日に4回上演するノンストップ・ショーを提案素晴らしいアイデアだが、出演者のオーディションの選考ではローラとヴァンダムの意見は食い違ってばかり
そしていよいよウィンミルドン劇場のオープン当初は大変華やかで満員御礼となったが、他の劇場も真似をし始め、次第に興行収入も危機感が襲うそんなときローラはとんでもない提案をする。何と“洋服を脱いでしまおう”と言いだすパリのムーランルージュのように、舞台で裸になってもらおうと・・・・・。ヴァンダムは、文化省の検問官が決して許可を出さないだろうと心配するが。ローラは担当のクロマー卿(クリストファー・ゲスト)とは幼なじみなので、「私がなんとかするわ」と約束ヴァンダムはそのためには若さ・個性・美を備えた女性の発掘に乗り出すそしてそんな花形スターを田舎で見つけてきた彼女の名はモーリーン(ケリー・ライリー)劇場の“タブロー(静止画)”として、登場する。ローラはクロマー卿にタブローは絵画と同様に歩く芸術性があると説得動かないという条件でOKをとる裸の女性の華麗なレビューの魅力はセンセーショナルなヒットとなったしかしローラが口を出しすぎるという事で、ヴァンダムから劇場の出入りを禁止される。でもローラはそんなことではめげず、色々な変装で潜入
開戦宣告ドイツ軍の空襲も始まる。でも劇場のステージは続く。大爆音で劇場も大きく揺れる。でも舞台魂は衰えず・・・・。観客はその勇気あるショーマン・ショーガールにロンドンの空襲も激しくなり、劇場の閉鎖を命令されるという事態に兵士からの抗議をよそに、クロマー卿は閉館を見届けに・・・・。そこへローラ・ヘンダーソン夫人が人ごみをかきわけ、やってきた。そして抗議のスピーチを始める。一人息子アレックは21歳の若さで戦争によって亡くなった。彼の遺品にあったものは女性の裸の写真だったということ。息子はおそらく、写真以外では女性の裸の写真を見ないままこの世を去ったこの劇場を購入して、このショーをしようと思ったのはその無念さからだと・・・・。これから戦場に赴く兵士がこのような思いをせず、務めて欲しいために、このような場を提供するのだと。それ以降も閉鎖される事なく、劇場は存続することに。
ウィンミルドン劇場は、ヘンダーソン夫人の死後、イギリスの優れたコメディアンがここでキャリアをスタートさせた。ピーター・セラーズなどもここから出てスターに。ヴァンダムは1960年12月にこの世を去るまで、劇場」を存続させ、その後は娘のシーラが後を継いだ。以降は色々な形に様変わり・・・。現在はラップ・ダンシング・クラブとなっている。
なかなか楽しくて、夢のある映画だった。激動な時代だからこそ、娯楽の場所が必要だったのだ。ステージでのダンス・歌も見ごたえありジュディ・デンチも素晴らしい女優さんだ。今年73歳のパワフルな演技に
劇場存続のため、ヘンダーソン夫人は抗議します
ヘンダーソン夫人の贈り物 →公式サイト
追記:絵画のヌードをヒントに、舞台に取り入れた女性のヌードのレビューショー
はまさに芸術的で素晴らしいなと思った。