その恋が私を変え、私の絵が世界を変えた。
9月17日、MOVX京都にて鑑賞しました。「ピーターラビット」を生んだビアトリクス・ポターの物語。お話も素敵ですが、イギリスの湖水地方の景色もたまらなく美しく、心が和む映画です。
STORY
時は1902年、ロンドン。新しい世紀が訪れたが、イギリスはまだヴィクトリア王朝の封建的な空気が漂っている。ビアトリクス(レニー・ゼルヴィガー)は上流階級の子女。この時代そのような子女が仕事を持つようなことはあり得ない頃だった・・・・。しかし彼女はアーティストとして生きたいと思っていた。
そのきっかけとなったのは、幼い頃に湖水地方で出逢った大好きな“友達”である動物たちの絵に物語を添えて絵本として世に出したいという希望だったそんな彼女の思いを、かき消すように母へレン(バーバラ・フリン)は良家の子息との縁談をすすめるが断り続け、独身だった。母の心配をよそに今日もを抱えて出版社を訪れる。
ビアトリクスの真の理解者 編集者ノーマンとの出会い
青いジャケットを着たうさぎ、名前は“ピーターラビット”ビアトリクスのお話の主人公だ。そのうさぎのスケッチを持ってウォーン社を訪れる。遂に彼女の運命が動き始める経営者のウォーン兄弟がOKをくれた実はこの話には裏が末っ子のノーマン(ユアン・マクレガー)が仕事をさせて欲しいと言い出した。そんな彼に失敗してもかまわない仕事をやらせてみようということに・・・・。それがビアトリクスの絵本の担当。どうでもいいってわけだ。
しかし、ノーマンは本気だったそれどころか彼女が魂を吹き込んで描いた“ピーターラビット”に惚れこんでしまいすっかり心奪われてしまう~~~!印刷の色決めにも熱心に取り組み、母や個性的な姉ミリー(エミリー・ワトソン)をビアトリクスに紹介、そして意気投合・・・・親友へと発展!ビアトリクスは新しい日々の喜びと発見の連続ノーマンという真の理解者の出現で、ビアトリクスの才能はますます花開き始める。
初めての恋は突然やってくるーー親友から運命の人へ
完成した「ピーター・ラビットのおはなし」はあっという間にベストセラーにノーマンの協力も得て、ピーター・ラビットのシリーズ化が決まるそんな娘を苦々しい思いで見つめていた母へレンの怒りは、ビアトリクスがノーマンとミリーをクリスマス・パーティに招待したいと告げたとき、頂点に達する。商人を招くなんてもってのほかだというのだ。しかし、父ルバート(ビル・パターンソン)はかって芸術を愛し、絵描きに憧れたので、絵本の価値を認めたことを喜び、彼らの招待を許してくれた。
パーテイの、ビアトリクスとノーマンは初めて手と手を取り合った瞬間に落ちる不器用だが、純粋なノーマンの突然のプロポーズだったが、母の邪魔が入るも彼女はそのことを胸にしっかり受け止める。ミリーも賛成にも勇気を得たビアトリクスは別れ際に、「イエス」と囁くのであった
姉ミリーとノーマン
離ればなれにーー この恋は永遠に続くと信じていた
二人の恋は、ポター家に嵐をもたらした身分違いだと母親、昔はポター家も商人だったと一歩も譲らない娘・・・・・。をして口をきかない娘に、心痛める父はある提案を持ちかける。いつもどおり今年の夏も家族で、湖水地方で過ごし、秋がきても、気持ちが変わらなければ、結婚を認めるというのだ。心変わりしないために、ノーマンの家族には秘密にする約束で。
揺るぎない愛を抱く二人は、その提案を呑む。駅のホームでに濡れながらビアトリクスを見送るノーマン。思わず交わした初めてのくちづけ思わず呼んだ初めてのファーストネーム
汽車は離れても、心はまた一歩近づいた遠い距離を埋めるかのように、何通も交わされる一瞬一瞬がときめくこの恋が永遠に続くと信じていた。ノーマンからのが突然途絶えるまでは・・・・。
大好きだから守りたいーー 心の故郷で出逢った第二の夢
恋の終わりを告げたのは、ノーマンの病気を伝えるミリーからの衝撃的なだった。ビアトリクスはすぐにロンドンに戻るが、再びノーマンの微笑みを見ることはなかった。その日から、部屋にこもり何も食べず、悲しみに打ちひしがれる日々を過ごした。そんな彼女は魂の故郷である湖水地方に移り住む。
子ども時代に過ごした別荘の管理人の息子ウィリアム・ヒーリス(ロイド・ウォーエン)は幼なじみ。今は弁護士である。彼の世話で購入したヒル・トップ農場で、ビアトリクスの新しい人生が幕を開ける。豊かな自然は彼女の心の傷を癒してくれ、希望に満ちた物語を生み出すパワーを与えてくれたようやく彼女の笑顔が戻った時、農地を買い上げ、自然を破壊しようとする開発業者が現れるベストセラー作家となった彼女は自ら農地を買い取って、湖水地方の自然、そしてそこで暮す人々の生活を守ることを決意する青い空のどこから見守ってくれるノーマンの温かいまなざしとビアトリクスに賛同してくれるウィリアムの助けもあって、彼女は第二の壮大な夢を叶えようとしていた。
ビアトリクスの若き頃
8年後、ウィリアムと結婚。このときも母親は反対したそうだ。
1943年12月22日、ビアトリクス・ポター、77歳で亡くなる。遺言により、農場と4000エーカーの土地や多数の農場を、ナショナル・トラストに寄付する。遺灰は「ジマイマの森」の外れの野原に散骨し、その場所は秘密にするようにと遺言する。
絵本家としてだけではなく、自然保護にも大きな力を注いだポターは偉大な人だったのだと・・・・。「ピーター・ラビット」の誕生の裏には彼女の優しさがあったのだと。湖水地方の自然がいまだに残されていることは彼女の大きな力があったのですね。久しぶりに優しくて、癒される映画でした。
湖水地方に旅をしたくなりました。