ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

「村上朝日堂」シリーズ

2008年04月22日 | 見る聴く感じるその他
 

 ぼくの好きな作家のひとりが村上春樹氏であることはずっと以前にも書いたことですが、改めて今日は村上氏の作品を取り上げてみたいと思います。
 な~んて、書き出しが少し仰々しいかもしれないな~。


 「村上朝日堂」シリーズは村上氏のエッセイです。
 「今夜は寝る前になに読もうかな・・・」とちょっとばかり選択に迷う夜、手に取りやすい本なんですね。
 

 文章に力みがないのがいいんです。適度な脱力感がページを繰る手の後押しをしてくれる、って感じです。
 また、村上氏の身近な事柄を題材として取り上げていることが多いので、けっこう自分のことと置き換えて読めてしまったりするんですね。中身に血が通っている、というか、現実的でありながら内向的なところ、好感を持ってます。
 それに、村上氏の価値観、これにわりと共感を覚えているんです。非常にリベラルで、バランス感覚のとれた意見が多いと思っています。声高に主張するのではなく、「え~と、あの~」なんて頭を掻きながらも言いたいことはいつの間にかちゃんと言っている、なんとなくそんな感じです。


 時々ジャズについて書いてくれてるのが、また嬉しい。大上段に構えて語るのではなくて、ごくごくフツウに感想を添えてるところが好きです。それでいてちゃんと好みははっきりさせているし、表現がわかりやすいながらも、深い。いろいろたくさん聴いていても、通ぶってないとこがいいんですよね。見習いたいです、ホント。


 外は淡々としているように見えていても、実は内側ではいろんなことを感じ取っている、そういう雰囲気が伺えます。
 ぼく、けっこうあこがれているのかも。


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コメント (6)
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