ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

音符のない曲

2008年04月29日 | ネタをたずねて三千里
          △ジョン・ケージ(JOHN CAGE)



 現代音楽の分野だけでなく、音楽にまつわる雑学としてもよく話題になるので、ご存知の方も多いでしょう。その「音符のない曲」のタイトルは、『4分33秒』です。


 作曲者はジョン・ケージ(John Cage)。1952年8月25日、ニューヨーク州でピアニストのデヴィッド・テューダー(David Tudor)による演奏(?_?)が初演です。しかし「初演」といっても、奏者が楽器から音を出したわけではありません。


 この曲、いちおう第一楽章(0分33秒)、第二楽章(2分40秒)、第三楽章(1分20秒)の三楽章で構成されております。


            が、


 この曲の楽譜、それぞれの楽章に「Tacet(休止)」と書かれているだけで、
 音符はひとつもない
 
のです。     ( ̄ロ ̄;)!


 にもかかわらず、楽譜は市販されているので、お求めになりたい方、ご安心ください。
 しかも値引きセールまでされているという・・・。


 この曲、作者によると、別に「4分33秒」である必要はないらしい。この4分33秒というタイトルは、初演時の時間に由来しているそうなんです。
 さらに、演奏者がピアニストである必要もないらしい。
 事実、オーケストラ・ヴァージョン(! 笑)が存在しています。


 演奏風景ですが、ピアニストが演奏する場合、ピアノの椅子に腰掛けるだけ。三つの楽章はピアノのフタの開閉で示します。あらかじめ開けてあるフタを閉じることが、演奏開始の合図になるらしい。もっとも、この合図、これも初演時のテューダーのパフォーマンスが引き継がれているだけのことだそうです。


 会場全体から聴こえてくる「音」を音楽として捉えているらしいのですが、多くの聴衆の前でピアノに4分間じっと向き合っているのは、相当図太い人間でないと耐えられないかも…。


 そしてこの曲はCD化もされていれば、続編(『0分00秒』。この曲もジョン・ケージが発表(1962年)した作品で、楽譜には言葉による指示しか書かれていません。これも音符のない曲ですね)もあります。


 さて、かのジョン・レノンが、自分のアルバム「未完成 作品第二番」の中で、「沈黙の二分間」という曲を収録してます。タイトル通り、レコード(当時)針がレコード盤の上を走る音しか聞こえない「曲」です。



 時として才能にあふれている人のすることは理解できんぞ。。。
 (´Д`;)




「4分33秒」の動画がありました! ひっくり返りそうになりました(笑)。「奏者」はジョン・テューダーです。




オーケストラ版はこちら。妙な緊張感に包まれています(笑)。1楽章終わるごとに皆いっせいに譜面をめくるのが笑えます。終演時には大喝采!


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コメント (10)
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