
クラシック系の曲を演奏する機会がありました。
そのとき初めて聞き、初めて弾いた曲が「コン・テ・パルティーロ」と「私を泣かせて下さい」です。
どちらも感動的なメロディーを持っていたので、あっという間に好きになりました。リハーサルでも本番でも、演奏するのが楽しみでした。(もちろん全然イメージどおりには弾けませんでしたが)
ちょうどこの2曲を好きになったばかりのころ、レンタル・ショップで何気なく手に取ったCD、それがサラ・ブライトマンとの出会いです。
たまにはクラシカルなものも聴いてみようか、と思いながらクラシックのコーナーを何となく見ていた時に、美形のシンガーのジャケットが目に入ってきたんです。
収録曲を見てみると、「コン・テ・パルティーロ」と「私を泣かせて下さい」の両方に加えて、ぼくの好きなシューベルトの「アヴェ・マリア」や「アルハンブラの想い出」も入っていたので、即座に借りて帰りました。
そのアルバムがサラ・ブライトマンの「クラシックス」です。
ポップスのエッセンスをふりかけたような聴き易いクラシックが、「ネオ・クラシックス」とか「クラシカル・クロスオーヴァー」などと呼ばれていることは知っていたので、「音ネタを増やすつもり」程度の軽い気持ちで借りたのですが、思いもかけず、これが「大当たり」だったんですね。つまり、ツボだったんです。
サラの美しく澄んだハイ・トーン・ヴォイスには、いずまいを正されるような美しさがあり、まるで心が洗われるような気がしました。
音の高低・強弱を自在に操り、いろいろな表情を鮮やかに歌い分けていました。最初から最後まで緊張感が途切れることがありませんでした。
「繊細と官能の極み」というキャッチ・コピーがありましたが、なるほどと思わされます。歌を歌うために生まれてきた、と思える人の音楽に時々出会いますが、彼女もそういう類のひとではないでしょうか。
収録されている曲にはテレビやCM、映画などで耳にしたことのある曲が多く、それも聴き易かった理由のひとつでしょう。また最近では、ウェディング・ミュージックとして使われている例も多いようですね。
「アヴェ・マリア」や「アルハンブラの想い出」を始め「エニィタイム・エニィウェア(アルビノーニのアダージョ)」、「夜の踊り(ショパン作・別れの曲)」などはよく知られた曲ですし、「ネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ)」は、トリノ五輪で金メダルを獲得した荒川静香さんの演技の時に聴かれた曲と同じものです。また、「私を泣かせて下さい(ラッシャー・キオ・ピアンガ)」、「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ(コン・テ・パルティーロ)」のほかにも「私のお父さん」は実際にある結婚式で演奏したことがあって、好きになっていた曲だったんです。
サラ・ブライトマンというシンガーのバイオを見てみると、1960年イングランド・ハートフォードシャー州生まれ、13歳の時にステージ・デビュー。ミュージカルやオペラなど、ポピュラーからクラシックまで幅広く歌う、とあります。1996年にはアンドレア・ボチェッリに「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」をデュエットすることを申し出て、録音したシングルが全世界で1500万枚という驚異的なセールスを記録しました。以後この曲はサラの代名詞的存在として知れ渡っています。
このアルバムの中でもとくに好きなのは、「私を泣かせて下さい」「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」です。ひとつひとつの音符、言葉に意思を込めて、とても丁寧に歌い上げています。とくに「タイム・トゥ~」は途中転調してからの盛り上がり方がとってもドラマティック。思わず何度も繰り返して聴いてしまいました。
凛とした品性が実に心地よく、安心して音に身を委ねることができますね。違和感なく「世界で最も美しい歌声」を堪能しました。
録音だけしておいて、時間のある時にゆっくり聴こう、と軽い気持ちで借りたCDでしたが、最初から全編聴き入ってしまった一枚でした。
もちろんあとでCDショップに行き、ちゃんと購入しましたよ。
◆アヴェ・マリア ~サラ・ブライトマン・クラシックス~ /Classics
■リリース
2001年11月20日(アメリカ)
■歌
サラ・ブライトマン/Sarah Brightman
■プロデュース
フランク・ピーターソン/Frank Peterson
■収録曲
01 アヴェ・マリア/Ave Maria (Schubert)
02 私を泣かせて下さい/Lascia Ch'io Pianga (Handel)
03 ウインターライト/Winterlight (Preisner, Kaz, Ronstadt)
04 エニィタイム・エニィウェア(ライヴ・ヴァージョン)/Anytime, Anywhere (Albinoni - Ferraù)
05 アルハンブラの想い出/Alhambra (Tarréga - Pirs)
06 さようなら、ふるさとの家よ ~歌劇『ワリー』 第1幕より (未発表ヴァージョン)/La Wally (Catalani)
07 夜の踊り/Dans La Nuit (Chopin)
08 セレナーデ/ここは素晴らしい場所/Serenade/How Fair This Place (Peterson - Soltau / Rachmaninov)
09 私のお父さん ~歌劇『ジャンニ・スキッキ』より(新ヴァージョン)/O Mio Babbino Caro (Puccini)
10 ラ・ルーナ/La Luna (Dvorák - Ferraù)
11 ピエ・イエス/Pie Jesu (A.L. Webber)
12 フィリオ・ペルドゥート/Figlio Perduto (Beethoven - Ferraù)
13 ネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ)(新ヴァージョン)/Nessun Dorma (Puccini)
14 バイレロ/Bailero (Traditional)
15 タイム・トゥ・セイ・グッバイ(ソロ・ヴァージョン)/Time To Say Goodbye - solo version (Sartori - Quarantotto)
16 あたりは沈黙に閉ざされ ~歌劇『ランメルムーアのルチア』より(ライヴ・ヴァージョン)/Regnava Nel Silenzio(Live in Europe) (Donizetti)
■チャート最高位
2001年週間チャート アメリカ(ビルボード)66位、ビルボード・クラシック・アルバム・チャート2位、日本(オリコン)29位『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』 サラブライトマン & アンドレア・ボチェッリ
私が一番最初に聴いたのは 「ハレム」なんですが、そこからハマって4、5枚買っちゃいました~
特にこの「クラシックス」は私の大好きなAnytime, Anywhere が入っているんですよね!
イメージとしてはクリスマスの雰囲気もあるので、これからの季節に良いですよね~ これを聴いて、心清らかに過ごしましょう(笑)
ところで、DVDもかなりセクシー路線で良いらしいですよ・・・
いやいや、まさにツボでしたよ~。
「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」は一度演奏して大好きになっていたんです。その時は「コン・テ・パルティーロ」という原題の楽譜をもらっていたので、これが「タイム・トゥ~」だとはすぐには気づきませんでした。
「エニィタイム・エニィウェア」こと「アルビノーニのアダージョ」も大好きな曲ですよ。
>これを聴いて、心清らかに
あ、聴く前からすでに清らかです~(←腹黒)
>セクシー路線
なんと!(鼻血) あ、いや、心が清らかなんだった・・・(汗)
特に「私を泣かせてください」と「タイム~」の二曲が好きというところも同じです♪
運転しながら思わず ラーラララーって声を上げているときもありました。久しぶりにここで彼女の歌う姿を拝見してまた聞きたくなりましたあ。
知っている曲が多いし、知らないものでも聴き易いですよね。荘厳な声と演奏に惹き込まれます。
「私を~」は、苦手なアルコ(弓)での演奏を経験していたのですが、良い曲なのに自分の出来が良くなくて悔しい思いをしたのを思い出しました。
そうそう、思わずCDに合わせて歌いたくなりますよね~。イタリア語が分からないのでぼくもハミングしています(^^)
そうですね、写真で見ると繊細な感じがします。でも動画の方はタクマシい感が満々ですね。
顔を見ると惑わされる場合は、髪型で区別しましょう♪ 短い方がエンヤ、長い方がサラということで如何?(^^)
本格的なオペラ歌手でないのが残念。声と美貌と実力とがそろった歌手は貴重な存在です。
私もCDを買ってみようかしら。
ぼくはクラシックの歌い手さんはあまり聴いていないので比較はできませんが、今まで聴いたポピュラー・シンガー(サラをポピュラー・シンガーとするかどうかはともかく)の中では間違いなくトップ・クラスの歌唱力だと思います。それに、声も容姿も美しいですよね。
この「クラシックス」、ぼくのようなクラシック初心者からすると、とても聴きやすくて聴き応えもあります。sapphireさんも機会があればぜひ一度!(^^)