オーストラリアの北東端近くにあるケアンズの海はグレート・バリ
ア・リーフの一部で珊瑚の海、陸には熱帯雨林が広がっています。
その熱帯雨林(ウェット・トロピックスとも呼ばれていますが)で、
19世紀末、内陸の鉱山へ物資を届けるために敷設した鉄道が
キュランダ観光鉄道の始まりです。
当時のままの木造の客車の中の様子。険峻な地形、熱帯気候故の
マラリアなどの熱病、敵意を持つアボリジニの妨害など、鉄道建設
は難航を極めたようです。
それが今では、ケアンズ観光の目玉になり、世界中から観光客
が集まってきます。コアラガーデンや見ると幸運になれるという
ユリシーズという蝶のいるバタフライ・サンクチュアリなど、こじん
まりした山中の空間に色々上手に施設を展開している感じです。
途中には熱帯雨林の息を飲むような景色が広がります。大きな滝
があります。雨不足で水量が少なかったのですが、水量の多い時
は大迫力のようです。
この鉄道の終着点がキュランダ観光村です。ちょっとした商店街が
あり、カンガルーの毛皮や、開拓時代風のコートや帽子など、いか
にもという感じのお店が並んでいます。
少女がめちゃくちゃへたなギターを、いかにもやる気なさそうに
弾いていました。ほんとに必要があってやっているのかどうか?
他にもアボリジニの青年やその他、同じように道ばたで楽器を弾
いている人、酔っ払っているらしく路上で取っ組み合っている青年
たちを見かけました。アメリカのネイティブ・インディアンと同じで
アボリジニの人たちも色々問題を抱えている様子が、上っ面を見
るだけの観光旅行でも、多少ながら感じられました。
キュランダ村に行く方法は3つあります。鉄道と車とそしてこのスカ
イレールを利用する方法です。熱帯雨林の上を延々空中散歩する
7.5キロメートルものロープウエイです。熱帯雨林や川を1時間半も
空から眺めるのは、なかなか得難い経験です。下のジャングルに落
ちたら、なんて考えると身体が震えます。究極のサバイバル!