キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

ビフォア・アフター2

2013-11-19 16:55:48 | 季節
           

           やさしい黄色の、やさしい良い香りのユズ。

           

           主役にはなれないけれど、冷奴に、湯豆腐に、鍋もののつゆに、

           お漬物に、名脇役です。このごろNHKの朝ドラのテーマソングを聞

           く度に、歌っているデュオのゆずから柚子を連想してしまいます。

           

           レモンも今が季節のようです。柑橘類はだいたい秋が旬なんですね。

           ご近所から見事なのを戴きました。日本でも立派に実るんですね。

           

           高村光太郎の智恵子抄の一節、智恵子が光太郎の手から一つとっ

           たレモンを死の床でガリリとかじると「トパアズ色の香気が立ち」ます。

           レモンは柚子よりもっと峻烈でさわやか、目の覚める酸っぱさです。

           

           里芋も秋の味覚です。私、おいも類の中では里芋が一番好きなん

           です。そんなに味の強いものではないけれど、あのぬめりの中に

           密かな自己主張を感じる食べ物です。

           

           今回は牛肉と煮たちょっと芋煮風。京都の名物料理に里芋の一

           種である海老芋と棒鱈を炊いた「いもぼう」というのがあります。

           一度食べてみたいと思っているのですが。

           里芋に対して山の芋というのは別名自然薯。とろろにする芋です。

           これもおいしいですね。芥川龍之介に「芋粥」という短編があります。

           「平安時代のある下級役人は、気が小さく覇気のない人物でしたが、

           人生のたった一つの望みは芋粥をお腹いっぱい食べることでした。

           ある時願いがかなって、大量の芋粥を供されて、、、」さあ一体どう

           なったでしょう?この芋粥、山の芋を細かく切って、甘葛の汁で煮

           たものだということです。甘いものは贅沢品だった時代のお話です。

           どんな味だったのでしょうね?これも一度食べてみたいものです。
コメント
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