キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

クリスマスが近づくと読みたくなる本

2013-12-12 22:00:42 | 
            

            街はクリスマス一色。東南アジア料理のモンスーンにもクリスマス

            ツリーが。バリ島風のインテリアと照明に、妙にマッチしています。

         
クリスマスの思い出
山本 容子,村上 春樹
文藝春秋
あるクリスマス
村上 春樹
文藝春秋

             この時期になると毎年読みたくなる本が何冊かあります。

             トルーマン・カポーティの「クリスマスの思い出」と「あるクリスマス」

             「誕生日の子どもたち」という6つのお話からなる短編集のうちの2編

             です。トルーマン・カポーティは「ティファニーで朝食を」で有名ですが、

             この2編はそれに勝るとも劣らない感動作です。特異な幼少期を過し

             たカポーティの、ほとんど自伝のような作品ですが、泣けます。

             

             7歳のボクは、両親が離婚して、アラバマの親戚の家にあづけられてい

             ます。いとこ(といっても60歳を過ぎたちょっと知恵遅れのおばさん)と

             仲良しのボクは、毎年おばさんとなけなしの金をはたいてクリスマスのケ

             ーキをたくさん作ります。でもそんな幸せな年がいつまでも続く訳はなく、、。

             

             これぞストーリーテラーの面目躍如といった筋運びと文体で、しかも訳

             者が村上春樹。しみじみとした読後感が爽やかです。トルーマン・カポ

             ーティは破滅的な人生を送った人で、「冷血」なんていうホラーに近い

             いような長編もありますが、風変わりながらも幸せな子供時代を描いた

             このような作品は、ノスタルジックで、優しい気分を誘います。
コメント
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