表参道の根津美術館で尾形光琳の燕子花(カキツバタ)図屏風と円山応挙の
藤の花図屏風を見てきました。
金地の六曲一双屏風に青の濃淡と緑だけの単純な色使いで描かれた杜若
の美しいこと!見ても見ても見飽きませんでした。その横にある細密な応挙
の藤の花屏風。これまたなんという優美さでしょう!一対の屏風の藤の花の
アシンメトリーな構図が心憎いばかりに瀟洒です。
外の広い日本庭園では絵の中と同じに紫の杜若と薄紫の藤が満開でした。
入り口へと続く通路の左には細竹が植えられ、右の壁には美しく磨かれ
た竹材が並べられています。なんとも涼しげで奥ゆかしい和の空間です。
ところが一歩美術館から外へ出ると、そこは表参道のみゆき通り、東京
屈指の有名ブランド通りです。これはプラダの大きなガラス張りのショップ。
カルティエ、コムデギャルソン、ツモリチサトなど、眩しいブランド店が
立ち並んでいます。どの建物も、中のディスプレイもとても洒落ていて、
通りもピカピカ、チリひとつ落ちていません。美術館の中ではリラックス
できたのに、行き帰りにこの通りを歩くと、私のようなださい田舎者が
来るところじゃないような、申し訳にような感じで気後れします。こんな
お店で買い物する人って違う人種のような気がして。面白い街ですね、
東京って。