ニュージーランドは人口の約70%がヨーロッパ系、8%がマオリ、その他ア
ジア系の人々ということですが、オークランドでは、もっと多様で、まさに人
種の坩堝、移民の国という感じです。人種も、肌に色も、体型も千差万別
それが当たり前で、お互いに干渉しあわず、不親切というのではないけれ
ど、多少人間関係がクールに見えるのが心地よく感じられました。国民の
60%近くがキリスト教徒のようです。たくさんのきれいな教会があります。
どの教会の建物もモダンな感じです。ヨーロッパの教会のように、古色蒼然と
いう感じはしません。イギリス人の入植が始まったのが19世紀前後、古くても
200年ほどしか経っていませんからね。
その中でも、最もモダンで豪壮なのが、このホーリー・トリニティ教会です。
エベレストに初登頂したヒラリー卿の国葬がここで行われたそうです。
教会の前にとても広いスペースがあります。マオリの集会所に倣った
作りなのだそうです。
中に入ると、ステンドグラスの規模の大きさ、華やかさに圧倒されます。
ポリネシア人、マオリ人、ヨーロッパ人、それに原生・移入動植物が、色
とりどりに描かれ、国の成り立ちを表しています。原住民と移住者の軋轢
はもちろん壮絶だったようですが、今ではうまく共存融合している、なかな
か賢い国だと感じました。訪れたのはもう夕方でした。教会の世話をして
いるらしきおばさんが「私たちはもう引き上げるが、一箇所だけドアをあ
けておいてやるから、ゆっくり見ていけ」と言って去っていったのがニュー
ジーランド人の親切かつおおらかな気質を表しているようで、印象的でした。